『娘が不登校になりました。』(ぶんか社)
小林薫の『娘が不登校になりました。』も同様に母親目線から不登校の娘を描いています。ある日突然始まった娘の不登校に戸惑いながらも、学校への相談、フリースクール通い、私立中学への転入など、娘のために奔走した日々を描いています。小林薫はこの作品の前に、『夫がまったく働きません。 ~大黒柱かーちゃんと、元うつ病ダンナ~』(ぶんか社)を書いています。前作を合わせて読むと、『娘が不登校になりました。 』には書かれていない娘の不登校の深層原因を垣間見られるかもしれません。
『不登校の日常』(KADOKAWA)
久遠まことの『不登校の日常』は、不登校解決のための漫画ではありません。ゲームとアニメが好きな不登校の女子高生を描いたギャグ漫画です。自堕落な妹としっかり者の姉の2人のやりとりに思わず吹き出しながらも、不登校の子供の心理をしっかりとついている場面もあります。不登校の家族の息抜きに楽しめる1冊です。
『マンガ脱・「不登校」』(学びリンク)
『マンガ脱・「不登校」』は、不登校の患者に長年寄り添ってきた臨床小児神経科医の加藤善一郎によって書かれました。「不登校」の原因の1つである「起立性調節障害」や発達特性について、分かりやすい漫画で紹介しています。主人公が朝起きられずに不登校になってから、主治医のきめ細かい治療を経て「不登校」を徐々に脱するまでの過程をていねいに描いています。
加藤はこの作品で、不登校を克服する最も大切な鍵は、子供の「だいじょうぶ感」を育むことと、保護者の「だいじょうぶ感」を再確認することだと主張しています。不登校の子供の気持ちと不登校要因となる障害に対する理解を深め、解決の糸口をつかむ助けとなるでしょう。
『学校は行かなくてもいい』(健康ジャーナル社)
小幡和輝の『学校は行かなくてもいい』は漫画本ではなく、途中に著者の体験を紹介する漫画が挿入されている書籍です。小幡は10年間に渡る不登校を経験した後、高校3年生で起業しました。
この本では、学校がつらい場合に不登校という選択肢もあることと、不登校を選ぶ場合しなくてはならないことを「正しい不登校のやり方」として解説しています。多くのケーススタディが紹介されているため、「不登校でもこんな生き方がある」と実感を持って知ることができます。
まとめ
不登校経験者の描いた漫画を読んで気づくのは、子供の不登校を責める親の態度が、どれだけ不登校の子供を追い詰めるかということです。子供とのコミュニケーションが取れない場合、漫画をはじめとするさまざまな情報源から子供の心理を研究し、子供の良き理解者となってください。
参考
不登校と漫画と鳥山明――漫画を描き続けて自分と世界が変わるまで|ITmedia eBookUSER
「心細かったよね」小1から不登校の私 「救うつもりで」描く漫画|withnews
不登校でも「だいじょうぶ感」育んで 医師がマンガ出版|朝日新聞2019年1月20日
Kick out the “FUTOUKOU”! マンガ 脱・「不登校」 起立性調節障害(OD)克服と「だいじょうぶ感」をはぐくむ 著・マンガ原作 加藤善一郎(岐阜大学教授・小児神経専門医)/著 山口教雄(第7章)/マンガ 河西哲郎|学びリンク株式会社
学校は行かなくて”も”いい|小畑和輝オフィシャルブログ