普段何気なく使っている鉛筆ですが、鉛筆の芯の固さや濃さはアルファベットによって区別されています。一般的に良く知られているのがHBや2Bですが、Fという鉛筆があるのをご存知ですか? 今回は鉛筆の「F」の意味や特徴、Fはどのような人が合っているのかなど、「F」について詳しくご紹介します。
もくじ
鉛筆の「F」ってどういう意味?
そもそも、鉛筆のアルファベットの意味をご存知ですか? 「アルファベットは芯の濃さを表している」と思う方も多いかもしれませんが、実は芯の濃さだけでなく、芯の硬さも表しています。それでは、鉛筆Fの硬度や、アルファベットの意味などについてご紹介します。
鉛筆のFは芯の硬さを表している
前述したとおり、鉛筆のアルファベットは芯の濃さと硬さを表しています。HB、B、2Bなど、一般的に広く知られているものを含め、鉛筆には全部で17種類のアルファベットがあります。芯の濃さや硬さは、黒鉛と粘土の割合によって決まるとされており、Fは「Firm」、すなわち「引き締まった」という意味があります。
鉛筆の芯は、黒鉛と粘土の割合によって、硬いものからやわらかいものまであり、例えばHBでは黒鉛約70%に対して、粘土約30%です。黒鉛の量が多いほど濃くやわらかい芯に、また粘土の量が多いほど薄く硬い芯になります。
JIS規格では芯の硬度は6Bから9Hまで17種類あり、硬い芯はHardの頭文字Hを使い、やわらかい芯はBlackの頭文字Bで表されます。
HとHBの間にFがありますが、これはFirm(ひきしまった)の頭文字を使っています。
(引用元:鉛筆の種類|鉛筆お役立ち情報)
芯が柔らかいものから順番に並べると、6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9Hとなります。鉛筆の芯が柔らかいほど、字が太くて濃いという特徴があり、逆に芯が硬いほど、折れにくくシャープな線を描くことが可能になります。鉛筆の製造販売を出がける三菱鉛筆ではJIS規格とは別に、10Hから10Bまで、22種類の鉛筆を作っているといいます。
いつから使われている?
鉛筆のFは最近作られたものなのか? と思うかもしれませんが、一説によると19世紀にはすでに鉛筆Fは誕生していたといいます。イギリス・ロンドンの鉛筆製造会社「ブルックマン」が、最初にBとHで表示された鉛筆を作り、その後市民からの要望で濃い鉛筆のグループをB、製図者などが好む硬い鉛筆のグループをHとして、鉛筆の濃さと硬さを数字で表したのが、鉛筆の種類分けの始まりだといわれています。
鉛筆を製造する会社が普及してくると、BとHの間に需要があることが分かり、HBが作られ、さらにHBとHの間にFが作られました。鉛筆の濃さは20世紀に入ってから、国際標準化機構(ISO)によって17種類と決められ、日本工業規格(JIS)もそれにならっている形となっているようです。
Fの硬度について
濃いイメージである鉛筆Bは「ブラック=黒い」、一方でHは「ハード=硬い」の略語です。そして、そのちょうど真ん中にあるFは「ファーム=しっかりした」という意味を持つことから、HとHBの中間の濃さ、硬さということになります。実際に使用してみると、HやHBとの違いを実感できないという声もあるようですが、比較的女性の方が好んで使うようです。