【中学生向け】10円玉をピカピカにする自由研究
準備する物
- 家庭にある調味料や飲料(しょうゆ、ソース、酢、レモン汁、ケチャップ、ラー油、マヨネーズ、梅干し、牛乳、食塩水、炭酸水、焼肉のたれ、めんつゆ、ポン酢、ドレッシング、タバスコなど)
- 10円玉を浸す容器
- 洗剤
- エタノール
- ピンセット
- 汚れた10円玉
- カメラ
実験方法
擦って汚れを落とす
10円玉を洗剤と水で洗ってみましょう。10円玉はきれいになりません。汚れであれば洗剤で落ちるので、この結果から10円玉の黒ずみは汚れではないということが分かります。
液体をかける
(1)10円玉を浸す容器を準備します。使わなくなった小皿や卵のパックなどでも代用できます。牛乳パックなどを使って自作しても良いでしょう。
(2)容器の中に10円玉を入れ、液体をかけて1時間放置します。1時間後、液体を拭いて10円玉の様子を観察し、写真を撮りましょう。
火をつける
(1)容器にエタノールを入れます。大きめの濡れ布巾を近くに置きます。
(2)10円玉をピンセットで挟み、ガスコンロの火で熱します。10円玉が赤くなったらエタノールにつけます。
結果
液体をかける
洗剤ではきれいにならない10円玉が、梅干し、めんつゆによってピカピカになります。その液体の共通点を探ることが、この実験の重要なポイントです。それを理解するために液体の原材料を調べましょう。
- 梅干しの原材料・・・梅、しそ、水あめ、食塩、発酵調味料、醸造酢、かつおぶしエキス、こんぶエキスなど
- めんつゆの原材料・・・しょうゆ、ぶどう糖果糖液糖、米発酵調味料、砂糖、食塩、かつお、たん白加水分解物、かつおぶしエキス、魚介エキス、こんぶエキス、醸造酢、酵母エキス 、 調味料、アルコールなど
上の結果から、梅干しとめんつゆの原材料には、共通して塩と酢が入っていることが分かります。また、少しきれいになったケチャップ、ソース、マヨネーズ、焼肉のたれ、ポン酢、ドレッシングにも同様に塩と酢が含まれています。これによって、10円玉をピカピカにするためには塩と酢が必要だということが分かります。
火をつける
熱した10円玉は一瞬にしてピカピカになります。これは10円玉を加熱し、エタノールに浸すことによって10円玉を還元しているということになります。
まとめ方
10円玉は95%が銅で作られているため、汚れの主な原因は酸化銅と呼ばれるさびです。銅は空気中の酸素に触れると酸化して黒く変色します。これを酸化銅と言い、ピカピカに光る10円玉が汚れる原因となります。酸化銅は酸に触れると水に溶けるので、塩や酢によって表面のさびが取れ、その下にあるきれいな銅のピカピカした色が現れます。
結論としては、10円玉の黒ずみは酸化銅であり、酢酸と反応して表面の酸化銅が溶けてきれいになったとまとめると良いでしょう。化学反応式は、「CuO+2C2H5OH→Cu+CH3CHO+H2O」となります。