春一番という言葉を聞いたことがあるでしょうか。春一番とはいったいどのような名前の由来があり、また毎年、春一番の到来を気象庁が発表する意味とは何なのでしょうか。春の訪れを告げるといわれている春一番の風の特徴や、春一番が吹いたときに注意したいポイントなどについてご紹介します。
もくじ
春一番とは
寒い冬が少しずつ和らいでくるころ、天気予報などで春一番の訪れを告げるニュースを耳にしたという方も多いかもしれません。春一番という言葉の通り、春の訪れを感じさせる名前ということは分かりますが、春一番とはどのような意味があり、いつ起こるものなのでしょうか。
春一番の意味
春一番という名前の由来は、1859年に起きたある事故がきっかけといわれています。もともと春一番という言葉は、漁師や船乗りが使っていた言葉。石川県能登地方や、三重県志摩地方、長崎県の壱岐地方の漁師たちは、春先特有の強風のことを、『春一』や『春一番』と呼んでいたといいます。
そして、1859年の3月に、長崎県五島沖に出ていた漁船が、春の強風に煽られて転覆してしまい、漁師53名が亡くなるという事故が発生してしまいました。それ以来、長崎県の壱岐地方では、春に初めて吹く南寄りの強い風を『春一』・『春一番』と呼ぶようになり、気象用語となったといわれています。
1959年には、ある研究家が1859年の長崎の事故を書物によって紹介し、その後、新聞に取り上げられたことがきっかけとなり、全国的に『春一番』という名称が広まったといわれています。
春一番は春の訪れを知らせる風といわれているため、言葉からは明るい印象を受けますが、
落雷や竜巻が発生したり、船を転覆させたりすることもあるため、古くから恐れられている強風なのです。
春一番はいつ起こるのか
春一番が吹くのは、季節が寒い冬から春へと変わる時期といわれており、暖かい南よりの強い風が吹くと「春一番」と呼ばれるようです。具体的な時期としては、2月4日頃の立春から3月21日頃の春分までの間で、その年に初めて吹く南寄りの強い風を「春一番」と呼ぶそうです。
立春や春分は、季節を表す名称ですが、毎年春一番が吹く日が同じというわけではありません。そのため、地域によっては春一番の発生条件や認定基準も異なるといわれています。春一番が吹くと、暖かい日と寒い日が交互に続いていくという特徴があるため、体調管理に気をつけるべき時期ともいえるでしょう。