高専の入試は高校よりも難しい?
お子さんの進学先として高専を検討されている保護者の方にとっては、入学試験の難易度も気になるところでしょう。ここでは、高専の入試の倍率と偏差値についてご紹介します。
入試の倍率は高校の平均より高い
「高等専門学校の充実について(文部科学省)」によると、平成27年度に行われた高専の入学試験の倍率は平均1.76倍となっています。これは、高校の平均1.2倍に比べて高い水準です。
入学者の選抜方法には推薦入試と学力試験の2つがあります。
国立高専の場合、「入学者選抜学力検査」と呼ばれる同一の学力試験が、同じ日に全国で実施されます。
なお、推薦入試に不合格だった場合でも、学力試験を受験することができます。
高専は全体的に偏差値が高め
高校と比較して入学試験の倍率の高い高専ですが、偏差値についても全体的に高い傾向にあります。全国にある高専のうち約半数が偏差値60を超えており、中には60台後半の学校も複数校あります。
あくまでも各学校、各学科によって偏差値は変わってきますが、全体的な傾向として高専の難易度は高めであると言えるでしょう。
高専での学校生活
15歳から20歳までの多感な時期を過ごすことになる高専ですが、その学校生活はどのようなものなのでしょうか。部活動や寮生活、校則、女子学生の割合などについて見ていきましょう。
高専と高校の部活動の違い
高専には高校と同じように部活動があり、学生の約8割がなにかしらのクラブに所属しています。年齢が重なるため、部活によっては高校や大学の大会に参加することもあります。
また、全国高等専門学校ロボットコンテスト(高専ロボコン)や全国高等専門学校プログラミングコンテストなど、高専ならではの大会も行われています。
寮で生活する学生も
高専は全国に57校しかありません。高校の4,907校(平成29年度)と比べても非常に数が少なく、自宅から通える距離に高専がないという学生も多くいます。そのため、高専では寮生活を送る学生も少なくありません。
国立・私立高専の全てに男子寮が完備されており、中には国際高等専門学校のように全寮制の学校もあります(1、2年次)。
男子寮に比べると数は少ないですが、女子学生の増加とともに女子寮のある学校も増えてきています。
校則は高校ほど厳しくない
冒頭でも紹介した通り、高専は大学と同じ「高等教育機関」に位置付けられており、校則などは高校に比べて厳しくありません。
制服の着用が義務付けられていない学校も多く、キャンパスでは思い思いの服装で学校生活を送る姿が見られます。
女子の割合はどれくらい?
「平成30年度学校基本調査(文部科学省)」によると、高専の学生数全体に占める女子の割合は19%と男子に比べて低くなっています。
しかし、近年の高専の入学者数が横ばいである中、女子の入学者は増加傾向にあります。
独立行政法人・国立高等専門学校機構では、女子の少なさを課題としており、女子学生確保のための広報活動にも力を入れています。