消しゴムはどうやって作られる?自由研究にも使える家庭での作り方も - cocoiro(ココイロ) - Page 2

どうして消えるの?消しゴムの謎


勉強や書き物など、使う機会が多い消しゴム。しかし、どうして消しゴムで書いたものは「消す」ことができるのでしょうか。

消しゴムが鉛筆の粉を絡め取る

鉛筆の芯を紙に押し当てると、押し当てた部分が黒くなります。これは鉛筆に含まれている細かな黒い粒が紙の表面に付着するからです。消しゴムはこの黒い粒を表面に吸い取ります。軽く消しゴムを押し当てるだけでは、黒い部分が薄くなるだけです。何度も消しゴムでこすることで、紙の繊維に残った黒い粒を取り除くことができるのです。

ガラスなどつるつるしたものには鉛筆で線を引くことはできません。これは表面に凹凸(おうとつ)がなく、鉛筆の芯が削れないからです。一方で紙は繊維でできていて、手で触るとツルツルしますが実は「でこぼこ」があります。その小さなでこぼこに芯が引っかかることで黒い粒が残るのです。

顕微鏡や虫眼鏡で見てみよう

消しゴムをこすりつけることで、鉛筆の黒い粉は消しゴムの表面に付着します。そのままこすり続けることで表面が削れていきます。このとき、出てくるのが消しゴムのカスです。虫眼鏡や顕微鏡で見るとよく分かります。消しゴムの表面に黒い粒がつく様子、表面が削れて新しい白い面が出てくる様子が観察できるはずです。

消しゴムの歴史!ゴムとコロンブスの意外な関係

鉛筆とセットで使われることも多い消しゴムですが、鉛筆の歴史の方が歴史は古く、16世紀には鉛筆が誕生していたと言われています。まだ消しゴムはないため、鉛筆で書いたものを消すためにパンを使っていました。その後、科学者の手によって天然ゴムで文字が消せることが分かりました。諸説ありますが、研究が重ねられて世界初の消しゴムが生まれたのは18世紀のイギリスだと言われています。イギリスからヨーロッパ中に、またたく間に広がりました。

消しゴムの開発に欠かすことができないのが天然ゴムの存在です。ゴムはゴムの木から出る樹液を加工したもの。メキシコの原住民にによって発見され、11世紀ごろにはゴムのボールや食器が作られていたと言われています。1495年コロンブスの2回目の航海でゴムを目にしたコロンブスがヨーロッパに持ち帰りました。その後、ヨーロッパ各地でゴムが広がったのです。

日本に消しゴムがやってきたのは明治時代、義務教育が始まってからです。今まで筆を使っていたものを鉛筆に持ち替えたため消しゴムの需要が生まれました。外国産の消しゴムを参考にしながら試行錯誤を続けて、現在の塩化ビニルを使ったプラスチック消しゴムが生まれたのです。今ではプラスチック消しゴムが主流となっているため、天然ゴムで作られた消しゴムを見ることはあまりありません。つまり、消しゴムという名前であるものの、研究や改良によって「ゴム」ではなくなっているのです。

家庭で消しゴムを作るには

工場で製造されている消しゴムですが、家庭でも手軽に消しゴムを作ることができます。「こんなものが消しゴムに?」と驚く人も多いはずです。家庭の材料で作ることができる消しゴムの作り方を紹介します。

ガムから消しゴム

材料

  • ガム 3枚
  • 台所用液体洗剤 小さじ1/2
  • 白いチョーク1本

作り方

  1. チョークはポリ袋に入れて綿棒などで粉にします。荒く砕いた後にさらにすり鉢ですり、できるだけ細かくしてください。
  2. ガムははじめに噛みます。味がしなくなったらポリ袋に入れましょう。そこに台所用洗剤を加えて混ぜます。少しガムが溶けるのでそこでストップします。混ぜすぎるとガムが分解するため注意しましょう。
  3. ガムと台所用洗剤が入ったポリ袋に細かくしたチョークを加えます。ひとまとまりになるようによく混ぜてください。ある程度まとまったら好きな形に成形します。日陰で2〜3日乾かして固めます。

(参照:いろんな消しゴムを作ろう!|消しゴムbox

ホタテから消しゴム

ホタテの貝殻からも消しゴムを作ることができます。

材料

  • ガム 3枚
  • ホタテ 3個

作り方

  1. ホタテの殻は洗ってから良く乾かしておきます。乾いたら紙やすりですって粉状にしてください。また綿棒で砕いてもいいでしょう。
  2. 噛んで味がなくなったガムはポリ袋に入れます。そこにホタテの殻を入れて混ぜましょう。全部混ぜ合わせると固くなるので成形します。日陰で1日乾燥させて完成です。

ホタテやガムから消しゴムが作れるとは、不思議に感じるのではないでしょうか。プラスチック消しゴムの成分は塩化ビニル樹脂や可塑剤、研磨剤です。

実はガムの基になっているのはポリ酢酸ビニルという樹脂です。噛むことで甘味料や香料を取り除くことができます。そこにチョークやホタテなどの炭酸カルシウムを加えることで消しゴムを作ることができるのです。樹脂製品が私たちの身の回りにあふれていることが分かります。

(参照:いろんな消しゴムを作ろう!|消しゴムbox