親が不登校の子供の復帰のためにできること
子供のやりたいことを見守る
先述のとおり、子供が自分の好きなことをしているときには見守ってあげましょう。親としてはとても不安ですが、それは子供も同じです。親の目線で見た「無駄なこと」「意味のないこと」が本人のエネルギーや将来の夢につながっていくこともあります。
親はつい学校に行ってほしいために文句を言ってしまいがちですが、子供にとっても「学校に行っていない」「人と違うことをしている」ということは大きなストレスです。子供がやりたいことをしている楽しい時間は、親は見守ってあげましょう。
子供が安心する居場所を作る
家庭が不安定で、安心できない場所だと子供の心は行き場をなくしてしまいます。不登校をしている子供の親が、自分の苦しさでいっぱいで子供の苦しさが見えなくなってしまうことはよくあることです。
しかし、不登校をしている子供本人ももちろん苦しいはずです。何かあっても、失敗しても逃げ場があると気持ちは楽になります。家庭が安心できる場所であれば、それは子供の心の安定にもつながります。まずは子供の心が落ち着く居場所作りを目指してみてください。
不登校は子供の自己主張でもあると理解する
発達心理学の研究でも、不登校は子供の自己主張であるとされています。「鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要」による論文によると、下記のように記されています。
すなわち、登校拒否(不登校)とは、自ら選んだひきこもり現象の中で、脆弱な自我構造を再体制化しようと、もがき、苦しみつつ、初めての自己主張『学校に行かない』という意味表現を呈している存在であり、誰よりも『登校しなければならない』という感情のもとに苦悩している存在である
(引用元:久留一郎・鏡原尚子・南利枝 鹿児島大学教育学部教育実践紀要)
不登校という行動だけに注目しがちですが、そこには子供の自我の発達という心理的な背景もあります。
自我が成長する際の不安定で危ない子供の心の揺れ動きは、親がしっかりと受け止めて見守ることが大切です。親が子供の心を誘導するのではなく、見守って寄り添うことは子供の成長に不可欠な支援になります。時間がたてば「不登校は子供の成長に必要なことだったのかも」と思える日も来るかもしれません。不登校は子供の成長だけではなく、親も同時に成長するきっかけになります。
参考
キズキ共育塾|不登校からの復帰と、復帰後の通学持続のために、保護者さまにできる4つのこと
不登校の心理学
高校不登校から復帰へ!休んでいる間にやっておきたい7つのこと|DERALOG
不登校克服のカギはやりたいことをする~小学生不登校~|Nico 心の天気~小学生不登校~
登校拒否~高校の不登校で復帰や転校時に気をつけたい3つのこと|不登校が心配?~未来の相談室~