こんな叱り方・褒め方はNGです
怒りをコントロールする「アンガ―・マネジメント」として日本でも知られるようになったアドラー心理学によると、「感情にも理由がある」とのことです。今、子供を叱っているのは本当に子供を正しい方向に導きたいために叱っているのか、それとも単に虫の居所が悪いからなのか、親も一度立ち止まって自問自答してみましょう。
また、叱るときはもちろんのこと、ほめるときもほかの子供と比較してはいけません。
「弟はできたのにどうしてお兄ちゃんはできないの?」「〇〇君は100点だったのに、どうしてあなたは100点をとれないの?」「ピアノのコンクール入賞おめでとう! △△ちゃんは一緒に習ってるけど全然入賞してないからあなたはすごい!」などがその例です。
がんばってほしいことや改めてほしいことそのものを叱り、がんばったことや出した結果そのものを褒めてあげてください。
終わりに:2歳児のしつけは一生もの
「2歳児にしつけは必要なのか」「虐待と思われないか」という意見も見られます。「しつけ」とは何でしょうか。裁縫をする際にも「しつけ糸」を使います。この場合は、あらかじめ衣服の仕上がりを予定して仮止めするものです。また、「しつけ」は「躾」とも書きます。立ち居振る舞いが見事な様子を表した字です。
藤女子大学の「幼児のしつけの実態と親のしつけに関する認識における現状と課題」によれば、「しつけ」として体罰をする保護者は少なくありません。しかし、「しつけ」とは決して虐待ではありません。子供が独り立ちしていくために大人が手助けしていくものです。
2歳児のしつけは、子供のその後の人格を形成するために必要なものです。「三つ子の魂百まで」ということわざがあります。「三つ子」とは数え年で3歳の子供のこと。3歳になるまでに身についたことは一生ものと言えます。子供が自己主張し始めるこの時期こそ、親は子供と真剣に向き合いましょう。子供がやりたいことはやり遂げるまで待つ、少しくらい失敗しても許す、子供がやり遂げたことは認める、など。そんな親でいてあげてください。
参考
幼児のしつけの実態と親のしつけに関する認識における現状と課題|藤女子大学機関リポジトリ
正しいしつけは 子どもへの大切な贈り物|岡山県
マンガでわかる心療内科|ゆうメンタルクリニック
子どもたちの遊びと体づくり|1.子どもと遊び