PTA役員を断る時のマナー
仕事が忙しい、人間関係がわずらわしいなど、PTA役員をなるべく断りたいと思う保護者も大勢います。しかし、残念ながら「仕事が忙しい」ということは、役員を断る理由にはなりません。仕事を持つ人でも、時間をやりくりしてPTA役員を受け持っています。ただし、その他に役員ができない明確な理由がある場合は、どの学校でも一定の配慮はしてもらえます。
PTA役員を断らざるをえない明確な理由
以下のような事情があると、PTA役員の任務遂行は難しいと判断され、免除される可能性が高くなります。
- 闘病中または持病がある
- 出産を控えている
- 未就園児がいる
- 同居家族の介護が必要
- 過去に役員を経験済み
- 町内会の役員をしている
- ひとり親家庭で、祖父母と同居していない
- 転勤する予定がある
- 保護者の日本語能力が十分でない
明確な理由がない場合は、小学校6年間のうち、子供1人につき一度はPTA役員を引き受けることになると想定しておいた方がいいでしょう。上記のような理由があっても、役員のなり手が不足している学校では、役員を引き受けざるを得ない場合もあります。
嘘をつかない
明確な理由がある場合でも、断る際は周りの人への配慮が欠かせません。ましてや、嘘の理由で断るのは論外です。嘘はいつかバレてしまうもの。小学校に入ると、他の保護者とは長い付き合いになります。周りの人との関係が崩れてしまうと、後になって自分が苦労することになりかねません。
具体的に説明する
断る際は、単に「できない」と言うのではなく、なるべく具体的に説明しましょう。たとえば、持病があるなら、「月3回通院し、調子が悪い日は外出することもままなりません」、引っ越し予定がある場合は、「10月に引っ越しする可能性が半分くらいあるので、引き受けられません。しかし、引っ越しがなければ、来年喜んでお手伝いします」などと説明すると、理解されやすいものです。
事前に現役員に事情を伝えておく
PTA役員はクラス懇談会で選出する学校がほとんどです。保護者一同が集まる懇談会の席で、推薦を受けてから「実は……」と断ると反感を抱く人もいます。できれば事前に現役の役員に事情を話しておくと、懇談会の際に配慮してもらえる可能性があります。
PTA役員になるメリットも
「PTA役員は面倒」と尻込みする人が多いですが、実はPTA役員になるメリットもたくさんあります。体験してから、「こんな素晴らしい体験ができるなら、もっと早くやっておけばよかった」と思う人も少なくありません。
学校の様子がわかる
PTA役員になると、日常的に学校の先生とコミュニケーションを取る機会を得ることができ、先生と仲良くなります。先生との関係が構築できれば、面談などの改まった場では話さないような、学校の情報が多く得られます。特に子供が高学年になると、先生は保護者よりも長い時間子供と過ごすことになります。子供の家とは異なる一面を、先生から聞けるチャンスでもあります。
また、PTA会合で学校へ行く機会も増えます。授業参観など「見られること」を意識した場ではなく、日常の学校での子供の顔を確かめることもできるでしょう。子供が家で話す学校の話も、よく理解できるようになるでしょう。
地域とのつながりができる
PTA主催のイベントでは、地元の町内会に協力を要請することがあります。協力を要請する以上は、PTA役員も町内会主催のイベントに手伝いに出かけることになるでしょう。それにより、仕事と学校の延長線だけではできなかった、地域とのつながりができます。
地元に知り合いができると、地域の情報が入るだけでなく、より多くの目が子供を見守ってくれる効果も期待できます。PTA役員にならなくても、地域のイベントに積極的に参加し、普段から近所の人へのあいさつは欠かさないようにしたいものです。
共感し合える友達ができる
PTA活動の最大のメリットは、共感し合える友達ができることです。特に普段仕事が忙しい保護者は、あいさつぐらいはしても親しいパパ友・ママ友はいないことがあります。
学校で知り合う保護者は、仕事上で知り合う人と違い、職業もバックグラウンドも異なります。共通点は、たまたま子供が同じ学校に通っていること、それだけです。年に数回の親睦会では話もしないような人と定期的に集まり、1つのことを成し遂げていくうちに絆を築き、子供が学校を卒業しても親同士の関係は続いているという話はよくあります。