親子で楽しめる春のイベント!キリスト教のイースターとは - cocoiro(ココイロ)

「イースター」という行事をご存知でしょうか。キリスト教の慣習として行われきた「イースター」は、キリスト教の歴史上、重要な期間とされています。その理由は、イエス・キリストの誕生に由来したものです。

すでに日本で浸透しているクリスマスに比べれば、まだまだイースターの知名度は、そう高くはありません。しかし、イースターの楽しみ方を知ると、きっと親子にとっての新しい思い出作りになることでしょう。今回は、イースターの由来やシンボル、親子での楽しみ方などについてご紹介します。

イースターとは

それでは、イースターとは何なのか、その概要についてまずはご説明します。

そもそもはキリストの復活祭

イースターは、日本語で「復活祭」とも呼ばれます。キリスト教の創始者であるイエス・キリストの復活をお祝いするお祭りです。迫害を受けて亡くなったイエス・キリストが、その3日後に復活したことを祝うものです。

キリストの復活については、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4福音書すべてに記されています。福音書(ふくいんしょ)では、キリストの生涯や教えについて書かれています。新約聖書の著者の一人であるパウロは、「もしキリストがよみがえらなかったら、人々の信仰は空虚なものになる」と述べています。それほど「復活祭」は、キリスト教にとって重要な位置づけとされてきたのです。

カトリック教会では、復活祭前夜に「復活徹夜祭」として、ローソクに火を灯すことから始まります。讃美歌を歌いながらローソクの明かりを囲みます。地方によっては、キリストを売った「ユダ」を見立てたわら人形を炎で焼き払う風習もあるようです。復活を祝う期間は、聖霊降臨まで約50日間続きます。信仰度のが高い国では、復活祭の週に学校を休みにする国もあるようです。

名前の由来

「イースター(Easter)」という言葉は、アングロ・サクソン民族が厳しい冬を終え、新たな命が芽生える春を祝うための「春の祭り」に由来しています。この春の祭りもしくは春の女神を「Ostara」や「Ostera」「Eostore」と呼び、ドイツ語で「Ostern」、英語で「Easter」と呼ばれます。

春の女神は、繁殖をつかさどる神様。アングロ・サクソン民族は、女神を「Great Mother Godeness」として崇拝、信仰しています。キリストの復活祭が、春に行われるために祭りや女神にかけて「Easter」と名付けられました。

毎年日付が違う

クリスマスやハロウィンと異なり、イースターは毎年日付が異なります。キリストがユダに裏切られ、はりつけにされて死んだ後に、復活したのは日曜日でした。そのため、「春分の日以降の、最初の満月の次に来る日曜日」と定められます。だいたい、3月22日~4月25日の時期になるようです。2019年のイースターは、4月21日にあたります。ちなみに、西方教会と東方教会で日付が異なります。西方教会は4月21日、東方教会は4月28日となっています。

イースターのシンボル

イースターには、シンボルと言えば、卵とウサギです。イースターの象徴になるうさぎを「イースターバニー」と呼びます。前述のとおり、春の女神は、繁殖や多産、肥沃をつかさどっています。ウサギは、ネズミなどのげっ歯類であり、哺乳類の中でもトップクラスに多くの子供を産むことから、女神の化身とされてきました。ウサギの繁殖能力はずば抜けており、妊娠状態でも次の子供を妊娠することができます。

約4日間の休止期と約10日間の発情期というサイクルを繰り返して、年間を通して妊娠や出産を繰り返しています。ときには、10羽以上を同時に産むこともあるようです。ウサギが多産なのは、生存競争を勝ち残るためです。ウサギは攻撃性もなく、キツネやオオカミ、鷹や鷲などの肉食獣に捕食されます。常に狙われるため、スピーディに繁殖することで種の存続を図っています。イースターでは、場合によって、女神の化身として「rabbit」ではなく「hare(野ウサギ)」と表現されることもあるようです。

一方の卵は、ひよこが卵の殻を破って出てくるために再生や新生のシンボルとして考えられていました。特に古代バビロニア人の間では、神聖なシンボルと考えられてきました。卵がユーフラテス川に天国から落ち、その卵から女神がかえったとも言われています。卵は、新しい命の誕生や繁殖のシンボルとして捉えられています。