サドベリースクールとは?学校の常識を超える学校の実態を紹介 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

サドベリースクールの3大特徴

時間割なし、授業なし、テストなし

サドベリースクールには決まったカリキュラムはありません。学校で何をするかは、すべて子供自身で決めます。子供の個性と意思が尊重され、強制は一切されません。

「授業もなくて子供は何を学ぶの?」と疑問に思うかもしれません。しかし、人には好奇心・向上心があります。小さな子供でも、自分の興味に基づいて非常に多くのことを学びます。また、子供は好きなことをしているとき、驚くほどの集中力を発揮します。問題が生じても自分で解決しようと努力・工夫をします。強制されずに自ら学ぶことで、自律した人間になります。

子供がスタッフと一緒に学校を運営する

学校に関わることはすべて、子供とスタッフが参加するミーティングで決まります。仮に4歳の子供でも「子供扱い」されません。「4歳の子供に学校の運営が分かるわけがない」と思うかもしれません。しかし、4歳の子供でも、重要な会議に参加し投票権を与えられると当事者意識と責任感が生まれ、小さいなりに理解しようと懸命に考えます。責任を与えられるからこそ、成長するのです。

クラスメイトは4歳から19歳まで

年齢による学年・クラス分けがありません。4歳から19歳までが1つの空間で学んでいます。いろいろな年齢層の子供が一緒に過ごすことで、お互いに影響を与え合っています。

サドベリースクールの一風変わった教育システム

自ら立ち上げるプロジェクトベースの学び

サドベリースクールでは、子供たちが自分の興味のあることを自主的に学んでいきます。例えば、西宮サドベリースクールではプロジェクト制度を採用しています。子供が取り組みたい内容を企画書にまとめ、スクールミーティングで審議の上プロジェクトとして認められれば、専門のサポート人員をつけてもらえたり、経費を学校の予算に組み込んでもらえたりします。

自分の学びたいことを実現するためには、説得力のあるプレゼンテーションをしなくてはなりません。西宮サドベリースクールではプロジェクト制をとおして、興味のあることを追求するだけでなく、コミュニケーション能力や交渉力などを磨くことを目指しています。

自分で作るから皆守る学校のルール

サドベリースクールは子供たちの自由を尊重するからといって、校則がないという訳ではありません。実はサドベリースクールにはルールがたくさんあります。子供たちがお互いの自由を守るためにスクールミーティングで話し合い、学校のルールを決めます。

サドベリースクールの子供たちはルールをよく守ります。自分たちで作ったルールだからこそ、ルールを守ることの意義をよく理解しているのです。

子供参加のミーティングですべてが決まる

子供とスタッフによって開かれるスクールミーティングの議題は、物品の購入、開校日、開校時間、備品の取り扱い方など、学校に関わることすべてです。学費等に関しては、保護者も加えて審議します。

スタッフは終身雇用ではなく、毎年選挙で決まります。つまり、子供たちに認められた人しか学校にはいられません。子供とスタッフが平等だから、お互い信頼し合えるのです。

サドベリースクール教育方法は有効か

自分のやりたいことを追求できる

子供たちはサドベリースクールで夢を追求できます。強制も制限もされることなく、好きなことに好きなだけ打ち込むことができます。

AIが人間に代わって高度な仕事をこなす世の中では、学校での均一的な学力向上だけが最適な教育ではありません。自由な発想をし、社会に問いを投げかける人材を育てる教育も必要です。

行動力が養われる

サドベリースクールでは決まったカリキュラムがないため、何もしなければ何も起こりません。自分で何をしたいか、どうすればできるかを考え、自分で動かなければならないのです。「指示待ち」人間ではなく、自分で物事を起こす力が養われます。

コミュニケーションスキルが身につく

やりたいことを実行するには他人のサポートが必要となることがあります。その際、他人に自分のやりたいことを分かってもらい、説得しなければなりません。そのプロセスで子供は、コミュニケーション能力を培っていきます。

協調性が育まれる

「自由にすること」と「好き勝手すること」は違います。1人1人の自由を守るためには、個性・性格・考え方の違いを認め合い、互いに思いやることが必要になります。ほかの子供たちとは競い合う関係ではなく、互いに尊重し合い、時には協力し合う関係です。

年長の生徒がロールモデルとなりモチベーション向上

サドベリースクールでは異なる年齢層の子供が1つの空間で学んでいます。年少の子供が取り組もうとしていることは、多くの場合、年長の子供がすでにできるようになっていることです。その場合、自然と年長の子供が年少の子供に教えるようになります。年長の子供にとっても、教えることで物事をさらに深く理解するようになります。

年少の子供が特にやりたいことが見つからない場合も、年長の子供がすぐ近くにいるということで、自分のなるべき姿・なりたい姿が見えてきます。年長の子供がロールモデルとなり、年少の子供のモチベーションが向上します。