フリースクールの学費は意外と高い?タイプ別に学費を比較 - cocoiro(ココイロ) - Page 3

フリースクールの学費支援について

フリースクールによっては、入会金や授業料の免除や割引制度を導入しているところもあります。文部科学省による「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」で、会費を徴収していると回答した団体・施設を対象にした集計の結果によると、会費を徴収している約40%の団体・施設が学費の減免制度を設けています。ここでは、フリースクールに通う際に受けられる支援について紹介します。

通学定期乗車券制度を利用する

フリースクールに通うことが在籍校の出席扱いとなるかどうかは、在籍する学校の校長先生の判断により決まります。出席扱いとなる場合は、家からフリースクールに通うための通学定期乗車券の発行が認められます。発行手続きにおいては、在籍する校長による申請・手続きが必要です。

塾代助成カードを利用する

現在、東京都と大阪市で自治体による塾代サポート制度があります。そのうち大阪市が発行する塾代助成カードは、参画事業者として登録を受けたフリースクールで利用することが可能です。中学生対象で、養育者の所得金額に制限がありますが、認定されれば月額1万円まで助成を受けることができます。残念ながら、大阪市在住の中学生でなければ申請はできませんが、今後各自治体でもこのような助成制度が広がると期待されます。

フリースクール独自の減免制度を利用する

財源を企業などの寄付に頼り、授業料の減額を図っているフリースクールもあります。福岡市内のあるフリースクールでは、月2万5,000円の授業料を保護者の経済状況に応じて最大7割減額しています。各フリースクールにより減免制度の有無や条件などが違うので、入学する前によく問い合わせるなどして調べてみましょう。

奨学金を利用する

フリースクールのために利用できる奨学金においては、2017年時点では三重県遊技業協同組合が設けている「金のハートの奨学金」のみとなっています。経済的な理由により、特定非営利活動法人フリースクール三重シューレへの入学が困難な小・中学生が給付対象者です。認定されると、2年間で1人あたり約717,000円の奨学金が給付されます。

文科省がフリースクール支援モデル事業をスタート

フリースクールに通いたくても、経済的に通うことができない家庭が多くあるのが現状です。また、フリースクールは正規の学校ではないので、公立・私立の学校に通学する際に受けられる公的な経済支援も不十分です。この問題の取り組みとして、文部科学省は2015年より、フリースクール等に通う小・中学生への支援として総額6億4,000万円の支援モデル事業をスタートしました。支援モデル事業を実施する都道府県内のフリースクール等に通う経済的支援が必要な家庭を対象に、年間10~15万円程度が学費以外の活動費(通学費、校外活動費、修学旅行費など)を援助するために支給されます。

まとめ

フリースクールにかかる費用について紹介しました。フリースクールが不登校の子供たちにとっての教育の場であるということがもっと周知され、今後ますます経済的な支援が普及していくことが期待されます。

参考

不登校の小中生、過去最多の14万4千人 背景に教育機会確保法|産経新聞
小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査|文部科学省
登校拒否児童生徒が学校外の公的機関等に通所する場合の通学定期乗車券制度の適用について|文部科学省
フリースクールの料金・その他の費用|不登校の原因対策案内所
文科省「フリースクール等で学ぶ不登校児童生徒への支援モデル事業【改訂版】」|フリースクール全国ネットワーク
フリースクール支援に差 九州7県、財政補助は福岡のみ|西日本新聞
大阪市塾代助成事業の利用者募集|大阪市塾代助成事業
フリースクールに通うための「金のハートの奨学金」|三重県遊技業協同組合

この記事をかいた人

shokole

ライター・英語講師・翻訳者。英検1級、TOEIC980点。英文科を卒業後、すぐに結婚。移住したアメリカで、日本とアメリカの子育ての違いに興味を持ち、現地の大学で幼児教育を学ぶ。6年のアメリカ生活を経て、帰国後に英会話教室をスタート。現在は英語講師のほか、翻訳や論文の英語チェックなどにも従事。ライターとては、英語学習や教育関連の記事を中心に執筆。キッチンで料理するのが毎日の癒し。6人の子供の母。