道徳教科化の背景とは?!導入のメリットとデメリットについて ( 3 )

道徳教科化によるデメリット

道徳的規範の押しつけ

小学校における道徳教育では、22の価値を学びます。例えば、「善悪の判断、自律、自由と責任」という項目では、小学校1~2年生では「よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行うこと」、3〜4年生では「正しいと判断したことは、自信をもって行うこと」、5〜6年生では「自由を大切にし、自律的に判断し、責任のある行動をすること」と解説されています。

こういった22の価値観に基づき、道徳的「模範像」ができ上がりますが、それを子供たちに押しつけてしまう危険性をはらんでいます。基本的な5教科(国語、算数、理科、社会、英語)では、テストの点数で評価を下します。しかし、道徳では、そういった数値に基づく評価制度を持っておらず、先生の主観による「模範的なあり方」を反映させることになります。「こうあるべき」という像に子供たちが抑え込まれてしまうことが懸念されるでしょう。

授業カリキュラムの負担増

道徳教科導入により、道徳の教科書が作成されます。教科化では、この教科書に基づき授業が進められます。また、実質的に道徳を授業に定着させるため、ほかの教科に転用されたり、軽視されたりしていた道徳の授業時間を年間35時間、実施します。授業量だけでなく、その質も今後問われていくでしょう。

多くの授業を学ぶ学生の教育カリキュラムに35時間追加するのは、子供たちにとって大きな負担となるでしょう。

おわりに

道徳の教科化のなかで注意すべきなのは、道徳さえ学んでおけば、子供たちの身の回りにある諸問題が解決できるという楽観主義です。子供たちは道徳を学んだだけで即座に変わることはありません。それを学校生活や家庭で実践し、失敗しながらも、心に身につけていくことが大切なのです。子供の成長は、学校だけでは成し得ません。家庭や地域とも力を合わせながら、子供を育てていくという姿勢が大切なのかもしれません。

参考
ここが知りたいQ&A|光村図書
道徳の教科化 道徳は「揺れる」ことが大切? 小学校の教育|ベネッセ教育情報サイト
明治天皇様について|明治神宮
十七条の憲法|十七条の憲法

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