道徳教科化によるメリット
いじめの防止
いじめ防止にも道徳教科化は効果的だと言われています。道徳化の目標では、道徳的な判断力、新庄、実践意欲と態度をはぐくんでいきます。つまり、人間としてより良く生きようとする人格的な特性です。スマートフォンやゲームで遊ぶ現代の子供たちは、今の大人が育ってきた環境とはまったく異なる状況で成長していきました。希薄なつながりで、相手に何をすればどう感じるのか想像する力も欠けているようです。共働きの家庭では、本来そういった教育を行う家庭での時間が少ないのかもしれません。
現代に生まれた子供たちが、道徳性をはぐくみ、勇気や和、周りのために尽くすことができれば、いじめ問題に対する姿勢も変わっていくでしょう。子供たちは素直、ゆえに教育の影響を大きく受けます。教育で道徳観を学ぶことは、いじめの防止だけでなく、その子供の生涯にわたり恩恵を得られるでしょう。
子供の心の成長に
道徳教科を通して、子供たちは「正解のない正解」を探り当てていきます。従来の道徳授業では、道徳のテレビ番組や副読本を材料に話し合うことが多かったようです。「嘘をついていけません」「親切は大切です」といった一方向の正解が見えていたようです。しかし、教科書化で問われるのは「正解のない正解」です。
例えば、小学校2年生に対しての授業では次のような議題で話し合われました。親戚を家に呼び、もてなすために母親が料理を作っています。しかし、祖母は量が足りないのではと心配しています。「残り物が出るともったいない。お客さんが残さないよう無理に食べて気分が悪くなるかもしれない。作りすぎず、適量を出すのがいいおもてなし」と母親は主張しました。祖母は「お客様に足りないのでは?と気を使わせるのが良くない。余るくらいつくるのがいいおもてなし」と主張しました。このとき、あなたはどうするか?という議題でした。
母親、祖母、双方の言い分に良い点があります。どちらの意見に自分はするのか、考え、話し合い、迷いながらも正解を導き出します。こういった「正解のない正解」を探り当てていく過程で、哲学が生まれ、子供の心の成長へとつながっていくのです。