子供の「あがり症」克服のために親ができること
子供の「あがり症」を克服するために、子供にさせることができることをご紹介しました。では、子供の「あがり症」を克服するために、親が子供にしてあげられることは何かないのでしょうか?
子供の話を相づちを打ちながら、しっかり聞く
当たり前のことかもしれませんが、親が子供の話をしっかりと相づちを打ちながら聞いてあげることが、子供のあがり症克服には効果があるのです。
子供は親に話しかけるときは、あまり上手に順序立てて話をすることができないかもしれません。しかし、上手に話せる・話せない関わらず、親がいつもきちんと話を聞いてくれているのを見て、子供は「自分の話をみんながきちんと聞いてくれている」と考えることができるようになり、これが自信につながります。「そんなことがあったの」「すごいはない」「へえ、よく知ってるねえ」と共感し、受け止めてあげてください。
子供が話している間は親は意見を言うなど横やりを入れることなく、子供が話し終えるまでしっかりと耳を傾けてあげてください。子供は「自分の意見を最後まできちんと話せたし、聞いてくれた」と思えることこそが、あがり症の克服には必要なのです。
他人の話も最後まで聞くようしつける
一見、「あがり症」とは関係のないことのように思えるかもしれませんが、あがりの症状が出ることがない話し上手は、聞き上手でもあります。人の話をきちんと上手に聞けるように子供を育てることは、人の前で上手に話ができる人を育てる近道となります。
お友達や親、先生などが話をしているときには、「あなたも話を途中で遮られたら嫌じゃない?ほかの人の話も、最後まできちんと聞いてからお話ししましょう」と、話の途中でさえぎらずにきちんと最後まで話を聞くように子供に教えましょう。
他人の話をしっかり聞けない子は、話の途中で急に自分の話にすり替えたり、自分には関係ない話なのに急に口出しをしたりするようになります。話し上手にならないどころか、他人の話をきちんと聞けなくなるかもしれないのです。
良い点は褒め、失敗は責めない
子供が人前で話をしたり発表をしたりしたときには、良い点は思い切り褒めてあげ、残念ながら失敗してしまった点は責めないであげてください。
発表会で良い役をもらったにもかかわらず、劇中のセリフを間違ってしまったりしたときに、子供は失敗についてとても落ち込んでしまうでしょう。「あなた、なんであそこで間違えるのよ!」など親から間違ったことを再度指摘されたらどうでしょうか? 子供は間違ってしまったことや、恥ずかしいという感情を忘れられなくなります。失敗は子供に関わらず、何歳になっても起こり得るものです。そういった点も説明しながら「よく難しい役をやると言ったね」など、子供ができたことやチャレンジしたことを見つけて褒めてあげてください。
また反対に、上手に人前で演じたり話せることができたときには、多少オーバーリアクションでも子供を褒めてあげてください。褒められることにより、子供は自信をつけることができ、それがまた次のチャレンジにつながっていきます。
おわりに
子供がなぜ「あがり症」を起こしてしまうのか、子供自身があがり症克服のためにできること、さらに子供のあがり症克服のために親ができることをご紹介してきました。「一朝一夕で治る」とは言えませんが、子供のあがり症は子供自身の努力と、親の子供に対する関わり方などで克服していくことができる症状です。
子供を受け入れ、認めてあげて自信をつけてもらい、大勢の人の前でも自分の意見を分かりやすく伝えられる「あがり症知らず」な人に育てていきましょう。
参考
ヒューマン・エレメント・アプローチ 個人編: 個人のセルフエスティームを高める|白桃書房
「あがり」のしろうと理論 : 「あがり」喚起状況と原因帰属の関係|社会心理学研究
「あがり症」を簡単に克服する方法|PRESIDENT Online
人前で堂々と喋ろう! 「あがり症克服」徹底ガイド|PRESIDENT Online