子供の「あがり症」を治すために!親子でできる克服法をご紹介

子供の「あがり症」を治すために!親子できる克服法をご紹介

幼稚園の発表会や運動会など、大勢の人がいるところで、自分の子供が緊張、いわゆる「あがって」してしまっているように見える……そんなことを感じる親は多いのではないでしょうか? 任されたセリフが上手に言えない、なんだか体の動きが硬くなっているなど、「ああ、緊張しちゃってうまくいかないな」などと影響が出ている子供もいるかもしれません。子供のあがり症はなぜ起きるのでしょうか? 克服することは可能なのでしょうか?

今回は子供がなぜ「あがり症」を起こしてしまうのか、子供自身があがり症克服のためにできること、さらに子供のあがり症克服のために親ができることをご紹介します!

子供の「あがり症」はなぜ起こるのか?

そもそも私たち人間はなぜ「あがり症」を起こしてしまうのでしょうか?

「あがり症」は脳が自分を守ろうとしている証拠

人間が「あがり症」、つまり緊張してしまったりするのは、実は脳が正常に働いているからこそ起こり得る事象とも言えます。

私たちの脳は外部から受けるさまざまな危険を回避し、自身の生命を維持するための「防御機能」が備えています。車にぶつかりそうになって「危ない!」と思ったときに、とっさの判断で体が反応して動けるのもその1つです。これと同様に、脳は体だけではなく、自分の「心」や「精神面」を守るためにも働いてくれるのです。

人間には「自尊心」というものを持っています。アメリカの心理学者であるウィル・シュッツは、この「自尊心」を細かく分けると下記の3つの欲求があるとしています。

  • 自己好感(好かれたい、理解されたい)
  • 自己重要感(重要な存在として認められたい)
  • 自己有能感(有能であると評価されたい)

(引用元:ヒューマン・エレメント・アプローチ 個人編: 個人のセルフエスティームを高める|白桃書房

これら3つの欲求をまとめて「自尊心」と呼びます。この「自尊心」を傷つけられそうになったときに、脳が「心が傷ついてしまう!」と信号を出した結果、「あがり」という症状になってしまうようです。

子供の「あがり症」を克服する5つの方法

脳の働きが起こすこととは言え「発表会でいつも上手にセリフが言えない子供をなんとかしたい……」と考えている親は多いことでしょう。子供が「あがり症」を克服するには、どのようなことをしたらいいのでしょうか? 子供自身が取り組めば効果的であるアクションとして、5つの方法をご紹介します。それぞれ試してみて、子供に合うものを見つけてみてください。

上手にできるイメージを持たせる

発表会やスピーチなど人前に出る機会があるときには、子供に「自分が上手にできている・話しているイメージ」をさせてみましょう。人前でスムーズに話している自分、聞いている人が感心しながら聞いてくれている状況、自分が話終われば聞き手はすぐ次のことに関心が移っていく……という一連の流れです。

親が状況の流れを話しかけながら、一緒にイメージするのもいいですし、紙に絵を描いてイメージを具現化するのも効果的です。人間は脳に五感で得た情報や感情を記憶として保管しているので、五感を刺激する絵を描くことは架空の記憶の材料となります。人前で楽しそうに、スムーズに話す自分、そして、周りの人が笑顔で話を聞き「すてき!」「よかったよ!」など言われてうれしい言葉をかけてくれる様子を思い描いてみましょう。

深呼吸をする

ベタな方法ですが、これも「あがり症」に効果がある方法です。「あがり」の症状が出ると、呼吸が浅くなってしまうことが多いです。呼吸が浅くなってしまうと声が出にくくなり、話し手が何を言っているのか聞き手が聞き取りづらく、分からなくなってしまいます。

本番が近づいてきたら、ゆっくりと深呼吸することを心がけてください。そして、しっかりと息を吸い込み、吐くタイミングで言葉を発音するようにしましょう。

話はゆっくりを心がける

「あがり」の症状が出てしまうと、どうしても早口で話をしてしまう人がいます。人前に出たり注目を浴びたりと、嫌なことを「なるべく早く終わらせたい」と、気持ちが先走るために早口になってしまうようです。早口になってしまうと、気持ちが高ぶったり、自分が何を話しているのか、何を話すべきなのか分からなくなってしまうため、ますます緊張してしまいます。

「あがり」の症状が出そうなときほど、ゆっくり、大きな声で話をすることを心がけると聞き手も聞きやすいでしょう。

視点の位置など目標物を決めておく

大勢の人の前に立つとき、その人たちと目を合わせてしまうと「見られている」という意識が強くなり、ますます「あがり症」になってしまいます。そこで始めから大勢の前に立つ際に、自分の目線をどこに向けておくかという「見るもの」を何点か決めておくことをおすすめします。

看板や非常口のライト、目立つ柱など、自分が話しているときに見えるものをいくつか確認しておき、自分の視線を向ける位置を把握しておくといいでしょう。目線のやり場に困らなくなるだけ、緊張も解けるはずです。

口や顔の筋肉をほぐす

緊張してしまうと、顔や口の周辺の筋肉が硬くなり、表情が硬くなるだけでなく発声がしづらくなります。聞き取りやすい話し方や発表をするために、口や顔の筋肉をほぐすための簡単なトレーニングを実践してみましょう。

  • 大きく口を開けて「あうあうあうあう」と声に出して言ってみる
  • 両足を肩幅に広げて立ち、低い声で「あー」と30回発声する

これらのトレーニングは「あがり症」ではないお子さんでも、人前で話しをするときにしっかりと声を出すために有効です。発表会などで機会があれば、ぜひ試してみてください。

子供の「あがり症」克服のために親ができること

子供の「あがり症」克服のために親ができること
子供の「あがり症」を克服するために、子供にさせることができることをご紹介しました。では、子供の「あがり症」を克服するために、親が子供にしてあげられることは何かないのでしょうか?

子供の話を相づちを打ちながら、しっかり聞く

当たり前のことかもしれませんが、親が子供の話をしっかりと相づちを打ちながら聞いてあげることが、子供のあがり症克服には効果があるのです。

子供は親に話しかけるときは、あまり上手に順序立てて話をすることができないかもしれません。しかし、上手に話せる・話せない関わらず、親がいつもきちんと話を聞いてくれているのを見て、子供は「自分の話をみんながきちんと聞いてくれている」と考えることができるようになり、これが自信につながります。「そんなことがあったの」「すごいはない」「へえ、よく知ってるねえ」と共感し、受け止めてあげてください。

子供が話している間は親は意見を言うなど横やりを入れることなく、子供が話し終えるまでしっかりと耳を傾けてあげてください。子供は「自分の意見を最後まできちんと話せたし、聞いてくれた」と思えることこそが、あがり症の克服には必要なのです。

他人の話も最後まで聞くようしつける

一見、「あがり症」とは関係のないことのように思えるかもしれませんが、あがりの症状が出ることがない話し上手は、聞き上手でもあります。人の話をきちんと上手に聞けるように子供を育てることは、人の前で上手に話ができる人を育てる近道となります。

お友達や親、先生などが話をしているときには、「あなたも話を途中で遮られたら嫌じゃない?ほかの人の話も、最後まできちんと聞いてからお話ししましょう」と、話の途中でさえぎらずにきちんと最後まで話を聞くように子供に教えましょう。

他人の話をしっかり聞けない子は、話の途中で急に自分の話にすり替えたり、自分には関係ない話なのに急に口出しをしたりするようになります。話し上手にならないどころか、他人の話をきちんと聞けなくなるかもしれないのです。

良い点は褒め、失敗は責めない

子供が人前で話をしたり発表をしたりしたときには、良い点は思い切り褒めてあげ、残念ながら失敗してしまった点は責めないであげてください。

発表会で良い役をもらったにもかかわらず、劇中のセリフを間違ってしまったりしたときに、子供は失敗についてとても落ち込んでしまうでしょう。「あなた、なんであそこで間違えるのよ!」など親から間違ったことを再度指摘されたらどうでしょうか? 子供は間違ってしまったことや、恥ずかしいという感情を忘れられなくなります。失敗は子供に関わらず、何歳になっても起こり得るものです。そういった点も説明しながら「よく難しい役をやると言ったね」など、子供ができたことやチャレンジしたことを見つけて褒めてあげてください。

また反対に、上手に人前で演じたり話せることができたときには、多少オーバーリアクションでも子供を褒めてあげてください。褒められることにより、子供は自信をつけることができ、それがまた次のチャレンジにつながっていきます。

おわりに

子供がなぜ「あがり症」を起こしてしまうのか、子供自身があがり症克服のためにできること、さらに子供のあがり症克服のために親ができることをご紹介してきました。「一朝一夕で治る」とは言えませんが、子供のあがり症は子供自身の努力と、親の子供に対する関わり方などで克服していくことができる症状です。

子供を受け入れ、認めてあげて自信をつけてもらい、大勢の人の前でも自分の意見を分かりやすく伝えられる「あがり症知らず」な人に育てていきましょう。

参考
ヒューマン・エレメント・アプローチ 個人編: 個人のセルフエスティームを高める|白桃書房
「あがり」のしろうと理論 : 「あがり」喚起状況と原因帰属の関係|社会心理学研究
「あがり症」を簡単に克服する方法|PRESIDENT Online
あがり症を親子で克服する!タイプ別に見る効果的な対策|MAMARINA
人前で堂々と喋ろう! 「あがり症克服」徹底ガイド|PRESIDENT Online

この記事をかいた人

ニーガタのオーモリ