ハマり体験が大切?知的好奇心を高めるメリットと親にできること

豊かな人生を送るポイントは好奇心。つまり、知りたいと思う心です。好奇心の高い子は、そうでない子に比べて学校で良い成績を収めたり、経済的に成功する可能性が高くなります。できることなら、我が子にも高い好奇心を持ってもらい、豊かな人生を送らせてあげたいと思うのではないでしょうか。

当記事では、好奇心の中でも特に知的好奇心を高めるメリットについて説明します。また、子供の知的好奇心を高めるために親ができることは何なのかについて紹介していきます。

知的好奇心とは?

好奇心は、自分がまだよく知らないことを知りたいと思ったり、したことのないことでもやってみたいと思う心のことです。では、その中でも「知的好奇心」というのはどういった好奇心なのでしょうか。そして、どのようにすると知的好奇心が高まるのでしょうか。子供にとってプラスになる知的好奇心について説明していきます。

3つの好奇心

好奇心には、次の3つの種類があると言われています。

  • 拡散的好奇心
  • 知的好奇心
  • 共感的好奇心

この3つの好奇心には、それぞれ特徴があります。

拡散的好奇心

拡散的好奇心は、とにかく知らないものや目新しいもの何にでも惹きつけられる心のこと。日常的に使う好奇心という言葉の意味そのもので、ほかの2つの好奇心のベースとなります。生まれたばかりの赤ちゃんは、身の回りにあるものや起こる出来事がすべて知らないことばかり。自分の周辺にあるものに興味を持ち、成長と共に世の中のことを徐々に知って知識を増やしていくのはこの拡散的好奇心があるからです。

知的好奇心

知的好奇心は、物事をより深く専門的に理解しようとする心のこと。ただ見るだけ、ちょっと知るだけという表面的なことを知っただけでは満足できずに、興味を持ったことに関する知識を積み重ねたいという感情です。その人がとことん没頭できる、何かにハマるという感覚はこの知的好奇心によるものです。

共感的好奇心

そして共感的好奇心は、他人の考えや感情を知りたいという心のこと。人は、集団の中で暮らす生き物。周囲の人に興味を持つことは生きていく上で必要不可欠です。人間関係をつくる際、相手の表面的な趣味や興味を知りたいと思うのは「拡散的好奇心」によるものです。そこからさらに一歩進んで、なぜその人はそれが好きなのか、どうしてそれを選んだのかなど、相手を深く理解しようとする感情が共感的好奇心によるものです。

拡散的好奇心から知的好奇心へ

子供は発達していく中で、拡散的好奇心で生きていくための知識を増やしていきます。拡散的好奇心でたくさんの物事の表面の部分を知っていくのです。その中でごく一部のことに関してだけ、もっと知りたい、もっとやりたいという知的好奇心が芽生えます。

この知的好奇心の芽生えが、ただ好きなだけではなく、どっぷりハマることにつながります。そして、知的好奇心が芽生えたものがその子のハマる対象となるのです。

子供の知的好奇心を高めるメリットとは?

知的好奇心は、子供の人生を豊かにすると言われます。それはなぜなのでしょうか。子供の知的好奇心を高めることで得られるメリットを3つ説明します。

脳の発達を促す

知的好奇心は子供の脳を発達させます。知的好奇心が生むハマり体験で物事を突き詰めていくと、脳にプラスになる刺激を与え、さまざまな箇所を活性化し、脳のネットワークを作っていくからです。

知的好奇心を持ったことに対して、没頭して取り組んでいるときの「楽しい!」という感情は、ドーパミンを放出させます。ドーパミンは快感や幸福感、やる気を生み出すホルモンです。ハマっているものについて考えているときに感じる感情は、ドーパミンによって生み出されているもの。熱中しているときの集中力は非常に高く、ドーパミンがどんどん分泌されます。ドーパミンは脳を大いに刺激し、脳のネットワークを強くして、脳を大きくしていくのです。

勉強が楽しくなる

「勉強=嫌なこと=やりたくない」と考える人が多いでしょう。しかし、16万人の脳画像を分析した東北大学の瀧靖之教授が監修した『東大脳の育て方』(主婦の友社)によると、東京大学の学生は勉強を勉強と思っておらず、趣味のように楽しんでいる人が多いという事実があります。この違いに関係するのが知的好奇心なのです。瀧教授によると、東大生の92%はハマり体験を経験しています。

ハマったものを極めたいという気持ちは、

  • 知識欲・学習欲
  • 探求心
  • 課題解決力
  • 想像力
  • 独創性

などを伸ばしてくれます。ハマり体験をとおして、知らないことを知るためにはどうすれば良いのかを学ぶことができるからです。

勉強はまさに、知らないことを知っていくこと。そしてできないことをできるようにしていくこと。ハマり体験は、勉強に必要な力を楽しんでいるうちに身につけることができます。ハマり体験を身につけると、勉強に苦痛を感じることなく楽しくできるようになるでしょう。

将来的なメリットも

子供たちにとってはだいぶ先の話になりますが、知的好奇心は認知症になるリスクを下げてくれることも分かっています。認知症は脳の機能が低下することによって起こる病気。高齢になったとき、年齢と共に脳の機能が衰えていくのは仕方のないことで、止めることはできないものと思われています。しかし、実は脳の機能の低下は防ぐことができ、その方法の1つが知的好奇心を持つことなのです。

米国ラッシュ大学医療センターの研究チームが2013年に発表した研究「Life-span Cognitive Activity, Neuropathologic Burden, and Cognitive Aging」で、脳に刺激を与える活動を行う頻度に比例して、記憶力や思考力の衰えがおさえられることが証明されました。子供のころから知的好奇心を持っていると、脳が成長します。そして、子供のころから知的好奇心の強い人は生涯知的な活動を続け、脳に刺激を送り続けていく機会が多くなります。その結果、将来脳が衰えにくく、認知症予防につながります。子供のうちに知的好奇心を高めることが、後の人生にも影響するのです。

知的好奇心を高めるために親にできることは?

子供にとって大きなプラスになる知的好奇心。親としては、我が子の知的好奇心を高めてあげたいと思うところです。では、子供の知的好奇心は、どのような方法で高めることができるのでしょうか。知っておきたい親の関わり方をご紹介します。

読み聞かせをする

子供の知的好奇心を育てたい場合、読み聞かせをする機会を持ちましょう。知的好奇心の高い東京大学の学生の多くは、小さいころに読み聞かせをしてもらったという人がとても多いそうです。

読み聞かせをしていると、子供は「本はおもしろい」と思うようになります。どんな本でも大丈夫なので、たくさん読んであげましょう。小さなころから本を読む習慣をつけることで知識が増え、子供が熱中できるものが見つかりやすくなります。また、ハマったものを調べるために自分で本を探して読むようにもなるでしょう。

読み聞かせをしてたくさんの言葉を聞かせることは、言語力を伸ばしたり、親子で一緒に過ごす時間ができて愛情形成がされたりと、読み聞かせをすることには知的好奇心を養うこと以外にもプラスの効果がたくさんあります。ぜひ早速、読み聞かせをしてみましょう。

知的好奇心を満たす環境を与える

何かハマれるものを見つけたときには、子供が知的好奇心を十分に満たすことができる環境を与えてあげましょう。子供の中に芽生えた興味が大きく伸びていきます。子供が伸びる環境を与えることは、親にしかできないことです。

例えば、子供が疑問に思ったことを調べられる環境を作りましょう。図鑑を家に用意しておくと、不思議に思ったことを調べられます。興味を持ったものに関係する図鑑や本はたくさん用意してあげてください。子供が質問してきたことを一緒に調べるというのもとても良いでしょう。

興味を持ったものについては、ぜひ本物にも触れさせたいものです。子供が星に興味を持ったら一緒にプラネタリウムに出かけたり、外に出て季節の星座を探してみたりするなど。働く車が好きな子は実物を見に行ってみる。本物に触れることで子供の興味はさらに深まっていきます。

親も一緒にハマる

子供の知的好奇心を高めたかったら、子供のハマっているものに親も一緒に触れてみましょう。子供は真似が大好きです。大人が楽しそうにしていることを一緒にしたがるのが子供です。大人が一緒になって楽しんでいると、子供ももっとしたがります。子供が興味を持ったことは、ぜひ親も一緒にハマってみましょう。子供の知的好奇心がより高まるかもしれません。

子供に興味を持たせたいものがあったら、親が先にそれをやってみるというのはとても良い方法です。親が楽しんでいる姿を見せることで、自然に子供もやりたがることが多いです。親子で同じものを楽しめたら一層楽しめます。

知的好奇心を止めない

子供が何か興味の対象を見つけて熱中しているときには、できるだけそれを止めずに、最後までさせてあげるようにしましょう。時間も忘れて熱中しているときこそ、脳が成長している瞬間だからです。

「もうここまでで終わりにして」など、大人は予定や都合で子供を止める言葉をつい掛けてしまうことがあるでしょう。熱中して取り組むことで子供の集中力は高まります。そしてその集中力は、ほかの場面にも生きてきます。子供のためと思って、満足するまでたっぷりとやらせてあげましょう。とことん没頭させることが子供の芽を大きく伸ばすポイントです。

終わりに

子供の知的好奇心を高めることは、子供に楽しみを与えること。心から楽しいと思えることがある人は毎日の幸福度が高まります。紹介してきたとおり、子供の知的好奇心は親の心掛け次第で大きく伸びていく可能性があります。今日からできることもあるので、生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考
子どもは40000回質問する あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力(光文社)|Amazon
東大脳の育て方(主婦の友社)|Amazon
Life-span cognitive activity, neuropathologic burden, and cognitive aging | Neurology
「知的な好奇心」が脳力を高める 認知症を予防|一般社団法人日本生活習慣病予防協会

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cocoiro編集部

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