ESDの実践事例集
2014年に発表された「ユネスコスクール ESD優良実践事例集」から、いくつかESDの事例をご紹介します。
「文部科学大臣賞」受賞 岡山県岡山市立京山中学校
ESDの観点から「ESDカレンダー」を図式化して、身につけたい力を計画的に身につけます。1年生は、地域フィールドワーク探究活動の基礎を学び、2年生で広島研修を核とする平和学習の取り組みや、人権や国際理解、環境の学習に取り組みます。3年生は、水俣フィールドワークを中心に環境問題などでテーマを個人で設け、地域や未来に対して発信します。
全校的に取り組んだことで、生徒や教員、保護者の意識変化につながっています。また、ESDの視点からカリキュラムの再編を行い、ESDカレンダーを作ったことで授業の充実や改善にもつながりました。
「小学校賞」受賞 愛知県岡崎市立男川小学校
男川小学校では、自然を活かした理科学習に特化しました。5~6月には、チョウの成長を孵化の瞬間も含めて観察しました。6~7月には、昆虫標本製作に取り組み「ふるさと男川の昆虫標本」を完成させました。7~9月には、専門の先生からカブトムシについて講演を聴きました。10月から2月には、調べた昆虫の体のつくりを模型で表しました。3色の粘土とモールを使って作り、まとめとして「ふるさと男川昆虫図鑑」を作製しました。
これらはほんの一部の事例ですが、全国の各学校で多様な取り組みを行っているようです。
ESD機関に通うメリット
「ユネスコスクール」を代表とするESD機関に通うことで、子供にとってさまざまなメリットがあります。単に自分の生活だけを考えるのではなく、未来と世界に対して広い視野を持ち、「より良い未来を創るために、学び、考え、行動する」といった目標や夢を持ち、学習を通して自信や誇りを育んでいきます。
事例からも分かるように、世界規模の諸問題を生徒たちが国際的な視点から解決していく方法を探っていきます。諸問題の知識や理解だけでなく、未来に向けて生きる力を養っていけるのが、ESD機関やユネスコスクールではないでしょうか。学校によって教育のカリキュラムは異なります。子供の興味関心に沿う、興味関心を広げられる学校を選んでみてはいかがでしょうか。
終わりに
子供が国際的な視野を持ち問題解決の手段を考えることは、将来どの進路を歩むにしてもプラスに働くでしょう。知識や価値観、行動を、学習をとおして培っていくために、ESD機関を進路の選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
参考
ESD 持続可能な開発のための教育|文部科学省
ユネスコスクールESD優良実践事例集|文部科学省
ユネスコスクールとは|ユネスコスクール
ユネスコスクールと持続発展教育(ESD)について|文部科学省