エンパワーメントを導入するとどうなる?
さまざまな分野におけるエンパワーメントについて紹介しました。それでは、実際にエンパーメントを導入すると、現場ではどのようなことが起こるのでしょうか。
エンパワーメントのメリット
実際にエンパワーメントを導入すると、以下のようなメリットが考えられます。
- 意思決定のスピード化
- 自分で考える力がつく
- 本来の能力を発揮
- 取り組んでいるものごとに対する責任感が増す
- モチベーションが向上する
- マネージメント能力が身に付く
例えば、温かい接客姿勢が人気のスターバックス。店舗では、アルバイト従業員にもエンパワーメントが行われています。接客に関しては細かなマニュアルがなく、アルバイト1人1人が自分で考えて接客をするのだそうです。
要は、あなたがお客様の立場になった時、やってほしいと思うサービスを提供しなさいという、ただそれだけなんです。つまり、接客はすべて自分次第。だから、スターバックスで働くのは面白いし楽しいと言って、長く働いてくれる人が多かったです
(引用元:なぜスターバックスで働きたくなるのか?人気と成長を支える人材育成|an report)
従業員も働きやすく、客も笑顔になれるという良い循環がエンパワーメントによって生まれています。
エンパワーメントのデメリット
一方、デメリットがないわけではありません。例えば、個人が自分の判断だけで動くと、組織の考え方と齟齬が出てトラブルになる可能性もあります。上述のスターバックスでも、人事評価は複数人によって綿密に行われています。それに加えて、上からの一方的な評価にならないよう、アルバイトが直接店長に意見することも可能。きちんとした評価や価値観の軸が支援側にないと、エンパワーメントはうまく機能しません。
また、「自分で自由に決めてと伝えたから、あとは大丈夫」という考え方も禁物です。より弱い立場にいる人たちを支援するという前提を忘れずに、「どうしたら自分で決める力を持てるのか?」「足りないものは何か?」など常に考えなくてはいけません。