子供が手放さないボロボロのぬいぐるみは、発育に必要な「移行対象」 - cocoiro(ココイロ) - Page 3

「移行対象」は大人になっても存在する?

「移行対象」は大人になっても存在する?
さて、こうして幼少期の心の支えとなってくれた移行対象は、大人になっても意味を持つのでしょうか。

子供のころ大切にしていたぬいぐるみを飾る心理とは

子供のころから肌身離さず持っていた移行対象を、今でも部屋に飾ってあるという人もいるはずです。これは、今でも常に持ち歩いていたり、しゃぶっていたりするのでなければ、単純にものを大切にとっておくタイプということになります。そのため、何か問題があるのではなどと心配することはありません。

移行対象はカタチを変え、私たちの心を落ち着かせる

乳幼児に安心感をもたらしてくれる移行対象は、タオルやぬいぐるみではなくなっても、私たちの人生の中でその後もカタチを変えて存続し続けるとも言われています。大人の私たちにも、好きな音楽、映画、本、ペット、コレクションなどがあり、その存在だけ安心を得ることができているのです。

まとめ

子供が手放さないぬいぐるみや布は移行対象と呼ばれ、成長過程に必要な大きな意味を持ちます。個人差は必ずあるものなので、自然と手放す時期が来るまで、そっと優しく見守ってあげることが大切です。

参考
移行対象の発生的解明|発達心理学研究
移行対象・移行現象からみる大学生における 分離不安に関する研究
子どもにとって「想像上の仲間」がもつ発達心理学的意義|順天堂大学保健看護学部 順天堂保健看護研究 第5巻(2017)
ウィニコット『遊ぶことと現実』|山竹伸二の心理学サイト
移行対象と移行現象|横浜精神分析研究会
大人になっても移行対象は存在するのか|乳児期の子育て
井原成男「ウィニコットと移行対象の発達心理学」|私の中の図書館〜ライブラリ〜
大切なもうひとりのお母さん?|総合セラピールームまごころ

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