ヤバイ!スゴイ!で会話する子供たち。語彙力不足を解消する方法とは - cocoiro(ココイロ) - Page 2

子供たちの深刻な語彙力不足

文部科学省に寄せられた言語力育成に関する意見

全国の教育現場から、子供の言語力育成に関する意見が文部科学省に届けられています。意見の内容は、言語体験や言語スキル、言語教育の構造や体系、指導内容の重点化、各科目での言語指導、教員や授業、教材など、幅広く分かれ、さまざまな意見が届いています。
特徴的な意見を一部、以下でご紹介します。

今の子どもは,生活経験が少なく,ゲームや消費など偏りのある経験が多い。また,核家族で地域とのかかわりが減少し,家庭では単語による会話しかない。言葉がないことで考える力がなくなっているという危機感を感じている。学校では,子どもに体験させることが大事である。

個人の能力のみに焦点を当てるのではなく,集団に目を向けるべきである。小学校や地域等の集団の力に目を向け,言葉の力だけでなく,言葉を使ってどういう関係性を作るかということについて検討すべきである。

基礎から本との触れ合いを増加していく必要がある。子どもは教師の意図を汲み取って動くけれど友達の意図は汲み取らないという子どもが増えている。教師が最後まで読み聞かせ,子どもたちはそれを聞き創造して模擬的な構成力を身に付けるという関係も学習指導要領にきちんと組み込まれる方が良いのではないか。

(引用元:資料7 言語力の育成に関して予めいただいた意見及び第1~5回会議における主な意見(概要)|文部科学省

教育現場でも言語力育成を重要な項目として認識しています。

語彙力向上のために学校が実施した学習事例

語彙力向上のために、各学校でもさまざまな取り組みを行っています。埼玉県のある小学校の事例では、各学年の生徒に対して、段階別に「使えるようにしたい」「分かるようにしたい」言葉の一覧を「言葉カード」として配り、国語の授業だけでなく、教育全体で活用しました。すると、子供たちは感想文や日記などで「言葉カード」にある言葉を意識的に使うようになっていきました。

また、別の埼玉県内の小学校では、授業のテーマごとに感想語彙や接続詞の一覧表を掲載したり、子供の語彙や表現方法を増やす授業を実践したりしきました。このように学校側も日々、創意工夫しながら語彙力の向上に努めているようです。

参考
第1章 4.2.(6)体系的語彙指導のための学習活動を充実させる|文部科学省