子供たちの「人間形成」は、彼らの今後の人生において、非常に大きな意味を持ちます。まだ幼い子供の場合は、これからの親の接し方が子供の「人間形成」に大きく関わる可能性があります。では、そもそも「人間形成」とはどのようなことを指すのでしょうか? 当記事では「人間形成」の意味と、子供の「人間形成」のために親ができることについてご紹介します。
もくじ
「人間形成」とはどのような意味?
まずは、「人間形成」とはどのような意味を持つ言葉なのかをご紹介します。
「人間形成」の言葉の定義とは?
恵泉女学園大学学長で人間社会学部人間環境学科の大日向雅美教授は、「人間形成」の意味について以下のように定義づけています。
「人間形成」とは、人が人として生まれ、人として育ち、育てられていくプロセスの全体を指します。
(引用元:人間形成とは|恵泉ディクショナリー)
「人間形成」とは人間が成長していく過程のことを指す言葉です。人間は生まれてから、さまざまな人や環境と出会って成長していきます。成長の過程で視野が広がったり、思考が変化したりすることもあるでしょう。「人間形成」は、外界との関わりによる内面の変化を経て、その人の性格や考え方などが形作られていく様子を指しているのです。
「人間形成」と「人格形成」の違いとは?
「人間形成」に似た言葉に、「人格形成」という言葉があります。これらの2つの言葉には、どのような違いがあるのでしょうか。
佐賀大学文化教育学部による研究「社会科教育における人間形成論に関する一考察」では、「人間」という言葉について以下のように記述しています。
人間形成論における「人間」とは何であるか。それは、その人物を物語る上での、性格・知性・能力・人格などのすべての要素を含んだものであるといえる。
(引用元:社会科教育における人間形成論に関する一考察|佐賀大学機関リポジトリ)
論文によると、「人間」という言葉には「人格」も含まれているとされています。「人格」とは人柄や、人間としてのあり方などを指す言葉です。人間として成長していく過程で、人格も育てられていくと考えられます。したがって、「人格形成」は「人間形成」のうちの1つと言えるでしょう。