子供のうちからチームワークを実践する方法
社会に出てからチームワーク力を高めることは可能であり、もちろん社会に出てからもチームワーク力は高め続けないといけません。しかし、子供のうちから高めるに越したことはありません。ここでは、チームワーク力を高める具体的な内容を紹介します。家庭で実践することができるので、ぜひ参考にしてください。
チームスポーツを習う
1つ目は、チームスポーツを習うことです。1970年代から40年間以上チームの研究に取り組んでいる組織行動学の第一人者であるJ・リチャード・ハックマンが著した『チームワークは4つの要素で決まる』(ダイヤモンド社)によると、チームワークに必要なのは、「チームメンバーの性格、態度、行動スタイルではなく、絶対的な方向性、強力な構造、支えとなるコンテキスト(環境・設備)、共通の思考様式」の4つの要素だと述べています。
チームスポーツには、チームワークに必要な4つの要素がそろっています。例えば、サッカーを習うとします。
- サッカーチームには試合に勝つなどの方向性がある
- ポジションごとに役割が決まっているという構造もある
- サッカーをするための環境や設備があり、大人のサポートもある
- コーチや監督と子供たちの関係性が、共通の思考様式を育んでいる
つまり、チームスポーツはチームワークを発揮する4つの要素を構造的に持っているのです。その中で、子供はチームワークの本質である「目的」と「役割」を学ぶことが期待できます。
特に役割は明確で、ゴールキーパーやディフェンダーという競技としての役割に徹することでチームが機能すると学ぶことができます。それだけでなく、練習を始める前にコートのラインを引くのか、ボールを用意するのか、ドリンクを準備するかというような、役割を探す力も高めることが期待できます。
家族でも良いチームワークを発揮する
2つ目は、家族の関係でチームワークを発揮することです。ついつい見逃されがちですが、家族は1番小さな「社会」です。小学生になればそれが「学校」へと広がり、中学校や高校に進むにつれて、部活動や習い事などをとおして社会はさらに広がっていきます。
そんな1番小さな社会である家族でチームワーク力を高めるためには、子供に「役割」を持たせることがポイントです。また、それに加えて「目的」を共有することができれば、家庭内の仕事も意欲的かつ継続的に取り組むことが期待できます。
例えば、掃除の場合、みんなで協力して同じところを掃除するのではなく、役割や担当範囲を決めるのが良いでしょう。台所掃除は母、トイレ掃除は子供、お風呂掃除は父というように場所で分けても良いですし、掃除機は母、クイックルワイパーは父、ほこり取りは子供といった感じです。
また、「友達が来たときに『きれいなお家だね!』と言ってもらえるように掃除をしよう」などと掃除の目的を決めることでモチベーションも上がって継続することができます。家庭内で役割を持つことで、チームワーク力を高めるために必要な「役割」に対する意識を高めることができます。
終わりに
仕事内容が複雑化し、高度化する中で、さまざまな知識や技術を持った人とチームを組むことが必要不可欠な時代になりつつあります。そんな社会で力を発揮していくためには、子供時代からチームワーク力を高めておくという選択肢を持っていても損はないでしょう。
参考
チームワークは4つの要素で決まる DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文|Amazon
チームビルディングとは|チームビルディングジャパン
子どもを優秀なリーダーにする10の方法|ForbesJAPAN
チームワーク後進国”になってしまった日本|ITメディアエグゼクティブ
互いに認め合うのが大切! 子供に”家族のチームワーク”を伝える方法|男の育児バイブル
マルティーヌ・ハース,マーク・モーテンセン(2017)『チームワークは4つの要素で決まる』 ダイヤモンド社