4年に1度の頻度で行われる国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)は、日本の生徒たちをどのように評価しているのでしょうか。国際的に比較した際の日本の生徒の学力水準だけでなく、苦手を克服していくための勉強方法についてもお伝えします。
もくじ
日本がトップクラスの結果?TIMSSとは何か
TIMSSとは理数学力テスト
TIMSSとは、国際教育到達度評価学会(IEA)が行っている生徒の算数・数学、理科の到達度を国際的な尺度で推定して、生徒の学習環境などとの関係性を明らかにするために実施されている調査です。
2015年度の実施では、小学校50ヶ国・地域(約27万人)、中学校40ヶ国・地域(約25万人)が参加しています。同年度に日本では、全国で148校の小学校4年生約4,400人と147校の中学校2年生約4,700人が参加しています。TIMSSで出題される問題は、「内容領域」と「認知的領域」の2種類。内容領域とは、学校の算数・数学で学ぶ内容です。認知的領域とは、生徒が算数・数学の内容に取り組むときに行うであろう思考です。つまり、知識や応用、推論といった部分です。
PISAとTIMSSとの違い
TIMSSと似た学力調査に学習到達度調査(PISA)があります。経済協力開発機構(OECD)が加盟国の生徒に対して実施しています。対象の学年は、TIMSSでは小学4年生と中学2年生、PISAでは高校1年生です。また、実施の頻度もTIMSSが4年に1度なのに対して、PISAは3年に1度行われます。PISAの第1回調査は、2000年に始まりました。年度によって評価尺度が異なり、2015年度のPISAでは数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシーを評価されました。日本の成績は、参加の72ヶ国・地域のうち、数学的リテラシー5位、読解力8位、科学的リテラシー2位でした。