課題解決のために「考える力」ではなく「考え抜く力」を子供たちに - cocoiro(ココイロ) - Page 2

考え抜く力を身につけるため必要なこと

「全体」を捉える

考え抜く力を身につけるためには、前提として「全体」を捉えていく必要があります。目の前で起こっている問題に対して、その背景を理解して、問題の根幹がどこにあるのかを理解しておきましょう。学校で起こった問題なら、それはクラスの問題なのか、学年の問題なのか、学校全体の問題なのかによっても、対処方法が変わってきます。

例えば、「運動会の練習で団体競技がうまくいかない」のは、6年1組の生徒たちの仲が悪いのか、6年生が受験で練習に時間を割けていないからなのか、小学生にとって難しい競技を学校側が選んでいるからなのか、など問題の規模によって解決策が変わってきます。「葉」のみでなく、「木」や「森」で捉えられる視野が必要でしょう。

「自分の意見」を持つ

問題がどこにあるかを理解したら、次に自分の答えを導き出していきます。無数にある解決策の中で、「こうしたらうまく解決できる」という自分の意見を持つことが大切です。

例えば、クラスの仲を取り持つために「生徒たちがお互いを褒め合い、感謝し合う時間」を担任の先生に準備してもらう、という解決策を自分で考えましょう。本当にそれが正しいかどうかは別として、自分の意見を持つことがまず大切です。

「根拠」を深掘りする

問題の定義や解決策を固めるためには、「根拠」の深堀りが重要となります。そもそも問題の定義が誤っていると、解決策の方向性も誤ってしまいます。「運動会の練習で団体競技がうまくいかない」という問題が、6年1組の問題なのか、6年生の問題なのか、学校全体の問題なのか。所在がいずれなのか明確な根拠がなければ判断できません。

例えば、「小学生には難しい競技を学校側が選んでいる」ことが問題だと捉えるならば、全国の小学校ではどのくらいの学校が競技として取り入れているのか、を調べてみると良いかもしれません。調べてみて、多くの学校が取り入れていれば、小学生でも可能な競技であると判断できるでしょう。とすれば、問題の原因はほかにあると考えることもできます。

また、課題解決以外でも、「なぜ?」「どうして?」という観点を持つことも重要です。例えば、「最近、姉が手料理にはまっている」に対して、「なぜはまっているのか?」「どうして手料理なのか?」と問いかけていく過程で、根拠を見つける癖を身につけると、論理的に考える力を鍛えられます。