課題解決のために「考える力」ではなく「考え抜く力」を子供たちに - cocoiro(ココイロ)

課題解決のために「考える力」ではなく「考え抜く力」を子供たちに

子供たちの身の回りで起こった課題を解決するためには、単に「考える力」ではなく、「考え抜く力」が重要です。子供のころから、目の前の課題を解決する力を養っておくことが自己成長につながっていきます。当記事では、子供に「考え抜く力」をつけさせるための方法についてご紹介します。

日本人に不足?考え抜く力とは

考える力と考え抜く力は違う

「考える力」と「考え抜く力」の違いとは何でしょうか? 私たち人間は、ほかの動物と比べて、唯一脳が発達して思考できる生物です。「考えることが苦手」と思っている人もいるかもしれませんが、1日を過ごす中で幾度となく思考が展開されています。

「考えること」と「考え抜くこと」の1番の違いは「認識」と「答え」でしょう。私たちが毎日行っている「考える」行為のほとんどは、「目の前の出来事を自分の経験と合致させる作業」と言えるでしょう。例えば、朝の通勤電車でいつもより混雑していれば「今日の混み具合は事故のためか」と考え、「遅刻するかもしれないから、駅から走っていこう」と頭に言葉を浮かべます。自分の中で「電車の混雑=事故」「電車の混雑=遅延」と、過去の経験から推測、認識するのが「考える」という行為です。目の前の出来事を認識するだけなら、思考の負担は大きくありません。

一方、「考え抜く力」とは、目の前の出来事を認識するものではなく、深く考え、自分なりの答えを導き出すことです。例えば、電車の混雑を事故や遅延と認識するだけでなく、「駅から走って時間ぎりぎりの出社とならないために、これからどうしたら良いか」と問題意識を持ち、「自宅を出発する30分前に電車の遅延情報をチェックする」「出発する時間を今より1時間早めておく」といった解決策を考えて、答えを導き出すことです。

日本人に不足している考え抜く力

現代の日本人はとにかく忙しい国民です。労働時間は世界トップクラスで、今や子供も塾や習い事、遊びに忙しい日々を送っています。多忙な日々を送っていると、1つの物事に対して考え抜く時間を確保できなくなってしまいます。その対策として、目の間の出来事を認識して、反応するだけで終わるのではなく、その出来事への問題意識を持ち、自分の答えを導き出す、つまり「考え抜く」時間を確保していくことが大切です。

ビジネスパーソンに欠かせない考え抜く力

校長通信」によれば、企業は社会人基礎力として必要な能力を主に3つ求めています。それは、「前に踏み出す力」「チームで働く力」「考え抜く力」です。これらのうち、企業の「考え抜く力」の定義は、現状を分析し、目的や課題を明らかにする「課題発見力」、課題に向けた解決プロセスを明らかにして準備する「計画力」、新しい価値を生み出す「想像力」です。仕事の質を上げるためには、労働集約的な単純作業ではなく、課題解決しながら新しい価値を創造する生産性の高い業務に取り組む必要があるのです。