MOOCのデメリット
メリットの揃っているMOOCで受講生側のデメリットはないように思えますが、どのようなデメリットがあるのかここからお伝えします。
モチベーション維持の大変さ
人は何の代償もなく得られたものは、いとも簡単に手放してしまいます。MOOCの問題点として挙げられるのはコース修了率の低さです。申し込みから終了まで到る受講生の割合が1桁というコースも多々あるようです。コースからの離脱率が最も高いタイミングは開講後第1週目です。もちろん、申し込み前にイメージしていた講義内容とかけ離れ、興味関心を持てずに離脱する受講生もいるでしょう。
しかし、それを考慮しても、MOOCの受講でモチベーションを保つのが難しいことが分かります。隣で一緒に授業を受ける仲間や、鼓舞してくれる講師と対面で会うことができず、学習のためだけにモチベーション高く学習を続けるのが難しいのかもしれません。MOOCで提供しているサービスレベルの問題とも考えられますが、有名な学習機関が参加していることを考慮すれば、受講生側の問題とも十分に考えられるでしょう。
また、専門的なオンライン講義では、学習した内容を即座に結果に結びつけることは難しいでしょう。成長の実感を得にくい状態で、学習を継続しにくいのかもしれません。子供がMOOCを受ける場合は、学習内容について好奇心や強い関心を持っておくことが大切なようです。無料だからといって手当たり次第に受講することは、かえってモチベーションの低下につながるでしょう。
リアルタイムで質問できない
MOOCは基本的にオンライン講義であるため、リアルタイムでの講師との相互性を保つことができません。つまり、何か疑問に思うことがあっても、質問を掲示板への書き込みやメッセージなどでやりとりする必要があります。その正確性やレスポンスの速度はコースや講義によって異なるでしょう。疑問点の解消に時間がかかれば、その間学習をスムーズに進めることができず、前述のようなモチベーションダウンを招いてしまいます。
インターネット環境は必須
時間や場所、お金の制約をクリアにしてくれたのがMOOCです。しかし、唯一の条件である「インターネット環境」がなければ、授業を受けることができません。「We Are Social」と「Hootsuite」の調査によると、今インターネット人口は、世界人口の約76億人中、約40億人で、総人口の約53%にあたります。世界人口のおおよそ2人に1人はインターネットを利用していません。また、アフリカなどの発展途上国では、インターネットを使用したくともできない人口が多くいます。すべての人に平等に学習の機会が普及されるのは、現状のMOOCではまだ難しいようです。
(参照元:世界のネット普及率は53%、Webトラフィックの過半数はスマホ、などのデータ集|iPhone Media)
MOOCの提供するプラットフォーム自体よりも、「モチベーションを維持できない」「インターネット環境にアクセスできない」など受講生側の問題で生じているデメリットが多いようです。