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人間の感情を司る脳の部位に「扁桃体(へんとうたい)」という場所があります。子供の成長過程においても感情のコントロールにおいて重要な役割を果たしている部位なのですが、いったいどのような役割を担っているのでしょうか? 当記事では扁桃体が子供にどのような影響を及ぼすのか、また過活動によって起こる悪影響と、抑制するために親が子供にどのように関われば良いかをご紹介します。
扁桃体とは何か?部位と役割について
扁桃体とは、どこにあって、どのような役割を果たしている部位なのでしょうか?
扁桃体はどこにある?
扁桃体は、側頭葉内側の奥にある神経細胞の集まりです。目の奥のあたりにある、と言うとイメージしやすいかも知れません。大脳辺縁系の一部であると考えられており、周辺には記憶に関わる海馬(かいば)という部位があります。
扁桃体にはどんな役割がある?
扁桃体は、人間の情動・感情の処理と、直観力、恐怖、記憶形成、痛み、ストレス反応(特に不安や緊張、恐怖反応)について重要な役割を果たしています。扁桃体の起源は古く、同じような脳の機能を爬虫類なども持ち合わせています。そのため情動・感情の処理を担ってはいますが、扁桃体では対象が自分にとって「快(好き)」であるか「不快(嫌い)」であるかという単純な判断しかできません。
海馬が最初に視覚や味覚といった感覚器からの記憶情報をまとめて、それが「快」であるか「不快」を判断しているのが扁桃体なのです。なので、海馬という部位と扁桃体との間で記憶情報は常に行き来をしている状態です。
扁桃体と恐怖の関係
恐怖情動の役割
上述したように、扁桃体はストレス反応と大きな関わりがあります。特に「恐怖情動」と深い関係があり、私たちの記憶と結びついています。
この扁桃体での情動に関わる情報の処理結果は、まず自律神経機能とホルモン分泌の中枢である視床下部へ伝えられ、自律神経反応を引き起こして心臓の拍動が早くなり胃腸の動きも変化します。恐怖を引き起こすような刺激を受けたときは、同時に扁桃体から中脳へ情報が伝達され、すくみ上がるといった行動が引き起こされます。
扁桃体はそれが「快」であるか「不快」であるかのみ判断するため、とっさに下された評価が体に伝えられたのです。こうして、人間の命に関わるような瞬時の大切な判断を体に伝えているのが扁桃体なのです。
(引用元:「恐怖する脳、感動する脳」|Neurogenesis)
つまり、扁桃体がストレス反応(不安、緊張、恐怖など)を引き起こすことによって、私たちを生命の危険から守る仕組みになっているのです。
扁桃体のハイジャックとは?
脳の中の扁桃体が活性化することによって、時折「扁桃体のハイジャック」と呼ばれる現象が私たちの頭に起こります。
例えば、目の前にスズメバチが飛んできたとします。「スズメハチだ!」と視覚で確認すると、扁桃体が活性化してストレス反応を引き起こします。扁桃体が分泌されるにより、人間は血圧や心拍数が上昇したり、筋肉の緊張などの自律神経の反応が起こります。
また扁桃体の活性により、大脳新皮質(だいのうしんひしつ)という部位では、スズメハチに注意が集中してスズメハチに関する記憶が蘇ってきます。それとは別の一次体性感覚野でも、自分の体で起こっている自律神経の反応を感知して「緊急事態発生」という情報を大脳新皮質へ流します。すると、「恐怖」や「不安」といった意識的な感情が生まれて、さらに扁桃体を刺激します。
上記のように、脳のさまざまな部位で危険を察知し、緊急事態に関する情報で脳と体が支配される現象が「扁桃体のハイジャック」なのです。