記憶を司る脳の部位!子供の海馬を鍛えるためにできること - cocoiro(ココイロ)

記憶を司る脳の部位! 子供の海馬を鍛えるためにできること

海馬(かいば)とは人の記憶を司る脳の部位です。この海馬について子供のうちから鍛えるためにできることや、逆に海馬の発達に悪影響なことがあるのを知っている人はあまり多くないのではないでしょうか。今回は記憶に関わる脳の部位、海馬を鍛えるために子供のうちからできることを解説していきます。

記憶を司る海馬とは何か?

人間の記憶を司っている脳の部位、海馬とはいったいどのようなものなのでしょうか?

海馬とは何か?

海馬とは、人間の脳の中にある「大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)」の一部であり、脳のちょうど中心部から下にかけてタツノオトシゴのようなかたちをした部位ということで知られています。

海馬は人間の脳にあるさまざまな部位の中でも非常に重要な箇所と言われています。人間が生きていくために必要な器官として、外部から得られる形・匂い・音などに関連したさまざまな情報を取りまとめ、物事を記憶する仕組みの中で重要な役割を果たしています。アルツハイマー型認知症になると最初にダメージを受けるのもこの海馬です。

記憶は海馬と大脳皮質にファイル分けされる

人間の記憶は、この海馬と別の脳の部位である「大脳皮質(だいのうひしつ)」という2つのフォルダに分けて保存されています。

フォルダ分けは2段階で行われています。まず、日々の生活の中で起こったことや自分で勉強したことなどから得られた情報は、海馬で1度ファイルされ、情報の整理整頓がなされます。次の段階で、整理整頓された情報の中から脳が必要なものや印象的なものだけを記憶として残し、大脳皮質へためていきます。私たちの脳の中では新しい記憶は海馬へ、古い記憶は大脳皮質へと保存されるようになるのです。

また、これまではどのように海馬から大脳皮質へ記憶が移っていくのか分かっていませんでしたが、2017年に理化学研究所が「海馬から大脳皮質への記憶の転送の新しい仕組みの発見」を公表しています。脳の中での記憶保存については、これからさらなる研究が進んでいくものと思われます。

刺激が大きいと長期記憶になりやすい

実は記憶には大きく分けて2種類あります。1つは徹夜で試験勉強をしてテストは乗りきれても、その後に記憶が定着しづらいという例に代表される「短期記憶」です。もう1つは1度覚えたら2年も3年も記憶が残り続ける「長期記憶」です。海馬自体は長期記憶の蓄積はしませんが、新しい長期記憶を作れるかどうかは海馬が正しく機能するかどうかに懸かっています。

人間はより鮮烈な出来事ほど記憶に残しやすいのですが、これは海馬が受ける刺激が強ければ強いほど長期記憶になりやすいからなのです。交通事故などに遭った人はよく「そのときの情景を細かく覚えている」と振り返ります。これは記憶の刺激が強いためです。