コミュニティスクールとは?メリット・デメリットを徹底解説! - cocoiro(ココイロ) - Page 3

コミュニティスクールの導入事例

コミュニティスクールの導入事例
コミュニティスクールについてより深く知るために、実際にコミュニティスクールを行なっている3つの学校の例を見てみましょう。これらの学校はあくまで例ですので、よりさまざまな学校の事例について知りたい方は、文部科学省の「コミュニティ・スクール事例集」を参考にしてみることをおすすめします。

北海道登別市の例

北海道登別市は、毎年300万人以上の観光客が訪れる観光都市であり、「地域とともにある学校づくり」「地域の活性化」を目的として、コミュニティスクールが設置されることになりました。そこで、構想から約2年後の平成26年度にコミュニティスクールが設置されました。

そして、登別市では、コミュニティスクール導入以前からすでに行っていた活動の一部をコミュニティスクールに委託することになりました。コミュニティスクールの導入によって、放課後学習が実施されたり、地域見守り隊が設置されたり、地域住民が先生としてクラブ活動に参加することで、生徒の学びの場が広がりました。また、合同避難訓練や町内会行事を合同で開催することにより、地域の活性化にもつながりました。

参考
登別市の地域とともにある学校づくり|北海道登別市教育委員会

富山県富山市の例

次に、富山市のコミュニティスクール導入事例について見てみましょう。富山市はとても自然が豊かで、自然を生かした町づくりを行っている地域です。そんな富山市が目指すコミュニティスクールは学校と地域を活性化し、地域の人々の活躍の場を広げるようなコミュニティスクールでした。

なかでも、モデル校に指定された富山市立堀川中学校では、地域清掃や吹奏楽部の校外演奏を通して学校から地域への働きかけを行ってきました。それと同時に、職場体験や「働く人に学ぶ」講座を通して、地域から学校にも働きかけを行いました。そこで問題点として浮かび上がってきたのが、小学校・中学校・高校が連携したコミュニティスクール作りと、コミュニティスクールの導入によってさらに教師の負担が増えないよういかに工夫するかということです。一方で、コミュニティスクールの導入により、地域や保護者が学校と同じ土俵に乗ることで、子育てへの責任が芽生えたり、学校と地域のつながりが強まる結果となりました。

参考
2016全国コミュニティ・スクール研究大会|富山県富山市教育委員会

長崎県の事例

長崎県の全小中学校には、コミュニティスクール導入前から学校支援会議というものが存在していました。これは、コミュニティスクールが目指す活動にとても近く、地域コーディネーターや学校コーディネーターを募り、学校の活性化のために活動をするというものです。

例えば、登下校の見守り活動や、放課後や土曜日に行われる課外授業、部活動、サポート先生などの活動が以前から行われていました。こうした組織がすでに存在するという背景から、長崎県はコミュニティスクールの実施にとても積極的でした。平成26年度には「長崎っ子の『夢・憧れ・志』育成プロジェクト」を推進し、平成32年度までに、学校支援会議をベースとして、全小中学校にコミュニティスクールが設置されることを目標に掲げています。

参考
長崎県におけるコミュニティ・スクールの推進について|長崎県教育委員会

終わりに

すでに導入されている3つのコミュニティスクールの事例とコミュニティスクールの基本的な内容について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。今後もコミュニティスクールの導入は活発に進んでいくと見られていますし、いつどのようなタイミングで子供の通う学校に導入されるかわかりません。コミュニティスクールは、学校教育と保護者、地域をつなぐことのできる貴重な機会とも言えます。コミュニティスクールについて理解し、ご自身だけでなく周囲を巻き込みながら積極的に関わりを持てるようになる良いのではないでしょうか。

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cocoiro編集部

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