体育の授業で運動嫌いになる要因
子供が体育の授業で運動嫌いになってしまう要因にはどのようなことが考えられるのでしょうか。子供によっては授業内容や指導方法が合わないということもあるようです。
周囲の子供と比べてしまう
幼稚園や保育園のときは外で遊んだり体を動かすことが好きだったはずの子供が、小学生になったとたんに「体育が嫌い」となってしまうこともあります。小学校低学年で体育の授業が嫌いになってしまう子供は、「あの子の方が足が速い」「あの子はボール投げが下手」といった、周囲の何気ない言葉を聞いていることが影響しているかもしれません。
周囲の子供と比較してしまうことで、「自分は運動が苦手」と思い込んでしまい、運動への苦手意識から体育の授業が嫌いになってしまっていることが考えられます。
自主的ではなく協調性を重視される
体育の授業では、個人競技だけでなく、クラスの仲間と協力して行うゲーム遊びなども含まれます。人に気持ちを伝えることが苦手な子供は、なかなか周囲の子供とうまく話すことができず、協調性に欠ける行動をすることもあるかもしれません。
自主的に行動することよりも協調性を重視される授業内容が、子供の体育嫌いへと結びつくことが考えられます。
できないと落ち込んでしまう
走ったり、跳んだり、投げたりなど、体育の授業では「どれだけ運動能力が高いか」という点にフォーカスされる傾向があります。結果が周囲の子よりも悪い場合は落ち込んでしまうため、「どうせできない」と運動に対して苦手意識を持つ要因となってしまいます。
運動が苦手な子供が体育を好きになる方法
それでは、運動に苦手意識を感じている子供が体育を好きになる方法とは、何なのでしょうか。詳しくご紹介します。
基礎を整え、運動能力をアップさせる
「走るのが遅い」「水泳は苦手」など、運動が苦手とされる理由はさまざまですが、専門家によると、生まれつき運動音痴という人はおらず、基礎力を身につけることで運動能力は向上すると言われています。
「子どものうちは、駆けっこが速い子や動作がすばしっこい子が運動神経が良いと思われがちですが、実はそんなことはありません。駆けっこが速いのは瞬発系の筋肉が発達しているからであって、イコール運動神経が良いということでもないのです。運動神経は生まれ持った筋肉だけでなく、バランス感覚や重心の取り方、体の柔軟性、動体視力など色々な要素が絡み合っているので、基礎的なことをしっかり整えてあげれば必ず良くなっていきます」
(引用元:「体育嫌い」の子が「運動嫌い」にならないために |日経DUAL)
反復練習で苦手意識を克服する
前述した運動能力の向上のために、まずは反復練習をしてみるのも1つの方法です。例えば、鉄棒が苦手という子供は、親子で近所の公園に練習に行くなどすることで、だんだんとコツをつかみ、体育の授業で良い結果を出すきっかけになるかもしれません。
体の柔軟性や筋肉の発達などは個人差もあるので、毎日少しずつ運動を取り入れることで運動嫌いを防ぐことにつながります。
練習を見られるのが嫌な場合は、個人レッスンで力をつける
子供が体育の授業が苦手なあまり、学校を休んでしまったりするケースもあると言います。運動に対して苦手意識を持っている子供は、体育の授業でほかの子供に見られていることにプレッシャーを感じることもあるようです。そんなときは、家で個人レッスンをするなどして、子供の不安の種をなるべく取り除いてあげるようにしましょう。
焦らせず、怒ることはしない
子供の体育の成績が良くないと、ついついほかの子供と比較してしまう親もいるかもしれません。しかし、特に小学校低学年のうちは、3月生まれと4月生まれで約1年の差があり、体格や発達能力にも個人差があります。今はまだ思うように結果がでなくても、伸びしろがあることを前向きに捉え、「これからできるようになるよ」「楽しみだね」と話しながら親子で運動を楽しみましょう。