グローバル社会で主張できる大人に!ディベートで身につく4つの能力 - cocoiro(ココイロ) - Page 3

ディベートで子供の成長を促そう

ディベートで子供の成長を促そう

ディベートを通して身につく4つの能力

ここからは、ディベートを通して身につく4つの能力をご紹介していきます。

客観的・批判的・多角的な視点

ディベートでは、さまざまな論証を重ねてロジックを説明していきます。分かりやすく効率的なロジックを組み立てられているかを、検証していく必要があります。自分のロジックが客観的、批判的、多角的にみて、誤りや矛盾はないかを検証していきましょう。

「個人的な主観になっていないか?」「論拠は本当に正しいのか?」「別の観点からはどうなのか?」と、問いかけていくことがロジックの強化につながります。相手のロジックに対しても同様の視点を持つことで、反論できるようになります。こういった客観的・批判的・多角的な視点を養えるのです。

また、「主観」と「感情」を分けることに留意しましょう。「私は~~と思います」「私は~~と感じます」というのは、一個人の主観や感情をベースにした話であり、大衆が同じ意見を持ち合わせているかどうかは分かりません。ディベートで論議が過熱すると、つい主観や感情任せの発言をしてしまうかもしれないので、客観性と論理性を保ちながら、議論を重ねていきましょう。

論理的思考力

ディベートでは、賛成派、反対派に分かれて自分の立場を正当化するために主張します。発言する際に、分かりやすく、効果的なロジックを組み立て、そのロジックが根拠によって裏打ちされているかを検証していきます。ディベートの実践中には、瞬時に相手の根拠の弱点を見つけ、反論する訓練をします。こういったことを繰り返す中で、子供が論理的思考を身につけることができます。

人前で堂々と主張できる力

ディベートでは、相手チームと自分のチームを含め、大勢の前で自分の意見を主張するシーンが多くあります。いくら正しいロジックや構成を持っていても、小声で不安げに話しては説得力に欠けてしまいます。

「メラビアンの法則」をご存知でしょうか。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは、「メラビアンの法則」で、人と人がコミュニケーションを取る際に、バーバルコミュニケーション(言語表現)とノンバーバルコミュニケーション(非言語表現)で第一印象が決まる、と発表しました。バーバルコミュニケーションは相手に伝わる情報のわずか7%、ノンバーバルコミュニケーションは93%、という割合になっています。

ノンバーバルコミュニケーションの内訳は、声の質や速さ、大きさ、口調などの聴覚情報が38%、見た目や表情、しぐさ、視線などの視覚情報が55%。つまり、ディベートで相手に物事を伝えるときには、言葉や内容ではなく、その伝え方が大事になってくるということです。

人前で発言するのが苦手でできない子供がいるかもしれません。ただ、回数を重ねるにつれて、だんだん堂々と主張できる力が身についていきます。最初は、発言しやすい雰囲気を周りがつくってあげる所からスタートすればいいかもしれません。

情報リテラシー能力

ディベートでは、事前にテーマに沿った情報収集をしておくことが大切。インターネット、書籍、論文、新聞などのメディアを通して、賛成派、反対派に必要な情報を集めていきます。ただ、見つけた情報すべてを鵜呑みにするのではなく、「本当に情報が正しいのか」「論理的に必要なのか」を考え、情報を取捨選択していく必要があります。

例えば、統計データの調査対象に偏りがあったり、結論に対して調査方法が誤っていたりすることもあります。情報を取捨選択していく過程で、情報リテラシー能力が養われていくでしょう。情報化社会に育つ子供にとって、情報リテラシー能力は必須といっても過言ではありません。

まずは、ご家庭で実践しよう

ディベートで身につく能力についてご紹介しました。学校でディベートを行う機会もありますが、ご家庭の食卓や車での移動中など、ちょっとした場面でディベートをする時間を取ってみてはいかがでしょうか。

何度もお伝えしているとおり、いきなり「憲法改正すべきか」といった難しいテーマを設定しても、子供が分からず、楽しく取り組くことはできません。「おこづかいを導入すべきか」「家族旅行で行くなら沖縄か、北海道か」など、比較的話しやすいテーマから始めて、慣れてきてから、徐々にテーマの難易度を上げていくのがいいでしょう。家族のコミュニケーションツールとして、ディベートを採り入れてみてはいかがでしょうか。

おわりに

冒頭でお伝えしたとおり、日本人は自己主張の苦手な民族です。ディベートは、どちらかと言えば、苦手な分野に入るかもしれません。しかし、子供たちが将来グローバルに活躍していく中で、ディベートや自己主張を外すことはできません。国際会議や交流の場で、誤った意見や考えを相手に主張されたとき、キッパリと正しい意見を主張できなければ、誤っていると知りながら、結論へと流されてしまうかもしれません。

「ここは譲れない」という場面に出会ったとき、しっかりと主張して、誤った意見や考えを訂正できるのが真のグローバル人材に必要な素養なのかもしれません。

将来活躍する子供のために、まずは家庭で一緒にディベートに挑戦してみてはどうでしょうか。

参考
教育ディベートとは|日本ディベート協会
ディベートの基礎知識-4つの特徴-|インプロ部
ディベートとは|全国教室ディベート連盟
ディベートの必要性|ディベート教育
ディベートのテーマ30選|進め方・締め方の対策|就活の未来

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