実際の学校の取り組みを紹介
ここからは、具体的にどのように各校が取り組んでいるのかを、紹介していきます。
外務省訪問
国際基督教大学高等学校では、2018年8月に「SGH課題研究講座」として、外務省に訪問しています。二十数名の生徒が外務省に訪問しました。外務大臣が実際に記者会見を行う記者会見室を見学した後、外務省で活躍する同校のOBの方から、高校生から現在のキャリアに至るまでの経緯、仕事のやりがいについて話を聞いたようです。
また、国連担当大使からは、世界で日本の情報を発信する大切さ、日本の外交政策、外交を支える仕事の魅力まで、多く話を聞いていました。一般の高校生が簡単にできる経験ではないかもしれません。
海外現地調査
グローバルとローカルをかけ合わせた「グローカル人材」の育成を目指す隠岐島前高等学校では、「グローバル探究」として、2018年8月に生徒たちがブータン王国へ訪問しています。単に現地を体験するのではなく、「幸福度と家族のあり方」というテーマで現地の高校生や50代に対して英語で話しかけ、アンケート調査を実施しました。
また、青年海外協力隊として働いている方に病院を案内してもらうこともありました。帰国後は、現地での調査を踏まえ、調査報告会を行うようです。
海外研修
京都府立鳥羽高等学校では、2018年11月に上海での海外研修を実施しています。ある国内企業の海外事業部に訪れ、インターンシップを行っています。企業の中国における事業展開を聞かせてもらうだけでなく、生徒たちが各自の課題研究内容を職員の方に発表して意見や質疑応答をもらいました。上海郊外でフィールドワークを実施して、自分たちの課題研究に関する調査を進めています。
現地の学生と交流するだけでなく、学校の紹介や課題研究のプレゼンテーションを英語で行っていました。
このように、海外を訪問して単なる異文化交流をするだけでなく、生徒たちが自ら目的意識、課題意識を持ち、国内外で研究して深めていくなど、実践的かつ主体的な教育カリキュラムとなっているようです。
おわりに
いくつか事例をご紹介したなかで、学校によって取り組みが異なるのがお分かりいただけたと思います。それぞれの学校の持っている特性や人脈、資源を活かしながら、生徒がグローバル・リーダーとして成長していくための教育カリキュラムを実施していることが明らかになりました。
もし、SGHに子供が興味を持っているようなら、子供の受けてみたい教育内容と123校あるSGH指定校の実施している教育カリキュラムが合っているか、確認することが大切でしょう。
各高校の教育内容は、毎年改善されています。各学校がどのようなことを実施しているのか、最新情報をチェックしてみてください。
参考
スーパーグローバルハイスクールとは|文部科学省
スーパーグローバルハイスクール|国際基督教大学高等学校
教えて!「スーパーグローバルハイスクールって何?」|リクルート進学総研
SGHはどんな教育をしているのか 意外と厳しい文科省の評価|ベネッセ 教育情報サイト
平成30年度SGH上海海外研修第2日目|京都府立鳥羽高等学校