学校で実施されているカリキュラムの特徴
取り組みによって評価が異なる
文部科学省は、SGHの指定3年目に中間評価を行います。平成27年度に発表された、SGH56校の評価の内訳は次の通りでした。
「優れた取組状況であり、(中略)更なる発展が期待される」という最高評価が4校
「研究開発のねらいの達成が可能と判断される」という優秀評価が19校
「ねらいの達成がおおむね可能」が17校
「一層努力することが必要」が12校
「当初計画の変更等の対応が必要」が3校
「経費の大幅な減額又は指定の解除が適当」が1校
何を基準にこれらの評価に至ったのでしょうか。そもそも、進学に関して地域トップ校であっても、SGHに指定されない高校もあります。単なる進学エリート高校を評価するものではないようです。
審査要綱によれば、ポイントは「課題研究」のよう。グローバル社会やビジネスなど、国際的な関心の高い課題を中心として、校内外だけでなく海外も含めたグループワーク、ディスカッション、論文作成、プロジェクト型学習などの実施を求めていました。そのため、英語で授業のできる教員での授業の実施、帰国・外国人生徒の積極的な受け入れ、海外研修なども、評価につながります。
単に国際体験を積むのではなく、グローバル・リーダーになるために必要な資質や能力を身につけさせることが目的なのです。
ちなみに、最高評価4校は、
「学校全体で『協働的探究学習』を取り入れた授業改善に取り組み」(名古屋大学附属中・高校)
「アクティブ・ラーニングへの指導法転換が取組を支えている」(京都府立鳥羽高校)
「教科で習得した学びを課題解決に役立てている」(関西創価高校)
「ローカル・グローバル・グローカルな一貫性のあるプログラムを開発し、段階的にグローバル能力を育成する」(愛媛大学附属高校)
といった点で高評価を受けています。
一方で、評価の悪かったSGH校は、
「探究のプロセスを意識した指導を充実させる必要がある」
「授業改善の方向性が、グローバル人材として必要な資質・能力の育成ではなく、大学入試問題分析から行った例が示されており、研究の重点がずれている」
「海外体験・英語体験にとどまっている」
といった点で低評価を受けています。
これまでの英語力や大学入試のための学力向上では、本物のグローバル・リーダーは育たないということでしょう。SGHでは、国際人として成長につながる教育を受けられます。
(引用元:スーパーグローバルハイスクール(平成27年度指定)の中間評価について)