高校3年間でいったいいくら必要?受験から卒業までにかかるお金って? - cocoiro(ココイロ)

高校3年間で一体いくら必要?受験から卒業までにかかるお金って?

「子供の教育資金の負担が大きくなるのは大学から」と言われるのを聞いたことがありますか。小学校、中学校の義務教育期間中と、高校生の間は実はそれほど大きな教育費の負担にはならず、大学進学で教育資金が最大の出費であるという意味です。

確かに大学進学の費用は非常に高く、学資保険の多くは大学進学に向けてお金を貯める仕組みとなっています。しかし、大学の学費のことばかり考えていていいのでしょうか。今回は、子供が高校生になってからかかる教育費についてご紹介します。

高校3年間で必要になるお金っていくら?

子供の教育費は、高校3年間でいくらになるのでしょうか。実は、高校では意外とお金がかかるのです。高校の教育費は自分が子供のころにも親が払ってくれていて、相場が分からないまま大人になってしまったという人も多いでしょう。しかし、そのままでは子供が高校生になったときに必要なお金が準備できておらず、家計が火の車になってしまうかもしれません。まずは、公立高校と私立高校、それぞれの学費とその差を見ていきましょう。

公立高校に3年間通った場合はいくら必要?

2017年12月に発表された、文部科学省の「子供の学習費調査」の結果によると、保護者が支出した1年間、子供1人当たりの学習費は公立高校に通う子供の場合、「450,862円」という結果になりました。このうち、学校教育費に当たるのが「275,991円」、学校給食費はなく、学校外活動費は「174,871円」と言う結果となっています。ここでいう「学校外活動費」とは、学習塾や習い事への支出を指します。

調査結果によると、前回調査から学習費の総額が約10%増加していますが、これは2014年以降の入学者から、高等学校等就学支援金制度という制度が始まったためです。それまでは授業料不徴収制度と言い、公立高校に通う生徒については無条件で授業料が無償化される制度でした。しかし、2014年からは所得制限が始まり、無償化の対象外となる生徒も増えたのです。そのため、前回調査から学習費の総額が10%も増加することとなりました。

私立高校に3年間通った場合はいくら必要?

一方、私立高校の場合はどうでしょうか。学習費総額は「1,040,168円」、このうち学校教育費は「755,101円」、学校給食費はなく、学校外活動費は「285,067円」となっています。やはり学校教育費は約3倍となり、私立高校の方が高い結果となりました。学校外活動費も私立高校の生徒の方が高い傾向にはありますが、こちらは約2倍となっています。よりその差が顕著なのは、学校教育費であると言えるでしょう。

公立と私立、その差はいくら?

公立高校と私立高校では、私立高校の方が学校に関係する費用負担が高くなるのはご存知の通りでしょう。さて、その差はどのくらいなのでしょうか。実際に、具体的な内訳を見てみましょう。

特に差が大きかった学校教育費の内訳を見てみると、授業料に最も大きな差があることがわかりました。公立高校の場合は、年間23,368円であるのに対し、私立高校は年間271,835円と非常に高くなっています。その差は約11倍。また、入学金、入学検定料、施設整備資金、学級費、PTA 会費、寄附金等が含まれる学校納付金も公立高校が「49,762円」であるのに対し、私立高校は「228,864円」と約4倍もの差がついていました。

他の内訳については、「修学旅行・遠足・見学費」が約1.5倍、「図書・学用品・実習材料費等」と「教科外活動費」がほぼ同じ、通学関係費が約1.3倍と、公立高校よりも私立高校の方が重い教育費負担となっています。全体では、2.7倍の差となり、金額にすると「479,110円」の差がつくこととなりました。