学校給食の無償化の実態について
給食費を支払う義務がある一方で、学校給食の無償化に向けて動き出している自治体もあります。学校給食の無償化にはどのようなメリットや目的があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
給食費無償化の主な目的
文部科学省が全国の各自治体に向けて初めて実施した「学校給食費の無償化等の実施状況」と「完全給食の実施状況」の調査によって、2017年時点で学校給食費の無償化を小中学校共に実施している自治体の存在が明らかになりました。給食費無償化の主な目的は、食育の推進や保護者の経済的負担、子育て支援や定住・転入の促進における地域創生などが挙げられます。
保護者の経済的負担の軽減
学校給食の支払いが難しい家庭は、保護者の経済的理由が関係しています。給食費を無償化にすることで、保護者の経済的負担を少なくすることにつながり、その地域では子供が確実に給食を食べられるので、安心して子育てすることができます。また、学校側にとっても、給食費の徴収や未納・滞納者への対応負担を改善できるといったメリットもあるようです。
食育推進と地域創生
給食費の無償化の目的として、給食費が未納や滞納であることの精神的負担を解消できるだけでなく、親子で食について話し合う機会を増やしたり、教育への関心を増加させるといった狙いが挙げられます。栄養バランスの良い食事を給食によって摂ることができれば、子供の残食の減少にもつながり、安心して学校生活を送りながら勉強に取り組むことができます。
保護者が安心して子育て生活を送ることができれば、他の地域からの転入効果も期待できるため、給食の無償化による地域創生にもつながります。食育推進と地域創生という一石二鳥のメリットも、給食の無償化が実施される1つの目的となっています。