いつまで続く?イヤイヤ期の終わりとは
激しいイヤイヤが続いてしまうと、果たして我が子のイヤイヤ期には終わりが来るのだろうか……とうんざりしてしまう親もいるかもしれません。しかし、イヤイヤ期には終わりの合図はありません。親が「イヤイヤ期」、「反抗的」と思い続けている限り、我が子のイヤイヤ期は続くでしょう。
イヤイヤ期ともとれる第一次反抗期の終わりについて、楡の会こどもクリニックの石川丹院長は楡の会発達研究センターの報告の中で以下のように述べています。
親にとっては反抗と映る時期が終わったと言うには、通常の4歳児が達成する自己制御能力を発揮できるようになることが必要である。
(引用元:反抗期の子どもの心の理解と対応|楡の会発達研究センター報告、その17(08年1月))
イヤイヤ行動は、自分の主張が通らないことに不満を抱くことから起こることがあります。自分の主張が必ずしも受け入れられるわけではないと我慢できるようになれば、反抗的な態度はなくなっていくでしょう。
気持ちや良し悪しが分かるようになっていく
イヤイヤ期が終わると、子供は相手の気持ちを考えたり、物事の良し悪しが分かるようになっていきます。自己制御能力を身につけた子供の態度について、石川丹院長は同報告の中で以下のように述べています。
4歳児は自己の対象化、二重性の理解、自己制御、他者視点の知恵を獲得し、内言語を使って自己説得が出来るようになる。また、自己主張しながら譲れるところは譲る形で他人と交渉し、折り合いを付ける社会性を身に着けるのである。
(引用元:反抗期の子どもの心の理解と対応|楡の会発達研究センター報告、その17(08年1月))
イヤイヤ期の間に、自分の中にある意見を表現する方法を学びます。そしてイヤイヤ期が終わると、自分の気持ちを抑えられるようになると同時に、相手の視点に立って物事を考えられるようになっていくのです。
イヤイヤ期が終わると「なぜなぜ期」が来る子供も
子供の中にはイヤイヤ期の次に「なぜなぜ期」が来る子供もいます。何かを知るたびに「なんで?」、「どうして?」と、さまざまなことの理由を聞いてくる時期です。子供の発言に「なぜ?」が増えてきたら、それはイヤイヤ期が落ち着いてきたことを指すとも言えるでしょう。
このときに親が理由を考えさせるような返答をすれば、子供の思考力が鍛えられるかもしれません。イヤイヤ期で感情のコントロール方法を学んだら、次は思考力を育むことになるでしょう。
イヤイヤは子供の「やりたい!」の裏返し
何をしてもイヤイヤされてしまうことは、親にとっては時に苦痛となります。中には自分の育て方が間違っているのかな? と自責の念にかられてしまう親もいるでしょう。
しかし、イヤイヤは子供の自己主張の1つです。「あれがやりたい」、「これは嫌だ」など、何か親に分かってほしい気持ちがあるからイヤイヤ行動を起こしてしまうのです。イヤイヤ期のひどさを気にするのではなく、我が子はこんなにも自分の気持ちに敏感なのだ、やりたいと思うものがたくさんあるのだと、イヤイヤ行動を認めてあげることも必要でしょう。
参考
反抗期の子どもの心の理解と対応|楡の会発達研究センター報告、その17(08年1月)
「イヤイヤ実態調査」第一弾|乳幼児のイヤイヤ期を研究する「イヤイヤ研」
日本の子どもの「反抗期(自己主張期)」をめぐって|CHILD RESEARCH NET
イヤイヤ期がはじまった!成長のひとつ、自己主張を受け止めよう!|ベネッセ教育情報サイト
イヤイヤ期はいつまで?第一次反抗期が終わる時期と対処法|MAMARINA