我が子にイヤイヤ期が来ない!隠された3つの理由
意志表現をし始める時期であるイヤイヤ期ですが、中には訪れない子供もいます。
博報堂こそだて家族研究所と博報堂発の次世代育児アイテムPechatの開発チームが、「イヤイヤ研」というイヤイヤ期の研究を行うチームを作りました。そのチームによって実施された「イヤイヤ出現率調査」の中で、親たちへ「現在我が子はイヤイヤ期だと思うか」を尋ねています。調査の対象は全国の0歳~5歳児を持つ男女9,250人です。
調査の結果、以下のような回答を得ることができました。
(参照元:「イヤイヤ実態調査」第一弾|乳幼児のイヤイヤ期を研究する「イヤイヤ研」)
この調査結果では、「現在我が子はイヤイヤ期である」と回答した親が最も多かった月齢は2歳0ヶ月〜2歳5ヶ月であることが分かります。しかしその数字は77.3%であり、残りの22.7%の親は「現在我が子はイヤイヤ期ではない」と回答しています。つまり、イヤイヤ期が最も発生しやすい2歳児であっても、4人に1人はイヤイヤ期ではない、ということが分かります。
それでは、イヤイヤ期が訪れない子供にはどのような理由が考えられるのでしょうか。今回はその理由を3種類に分けてご紹介します。
(1)「イヤ」と思うことがない
「イヤイヤ」はその名のとおり、何かに対して「イヤ!」という気持ちを持っているために生まれる感情です。したがってイヤイヤ期の来ない子供は、そもそも「イヤ!」と思っていることがない、という可能性があります。
お腹が空いたタイミングでご飯が準備され、食卓に並ぶ食事にも満足しているなど、親が子供の嗜好や気分を非常によく理解できているということになるでしょう。
(2)実は子供なりに「イヤ」を表現している
イヤイヤ期の子供は、不満を分かりやすく表現するという印象を持っている人もいるでしょう。これに対してツイッターや著書が人気の保育士である、てぃ先生が日経DUALでのインタビューの中で以下のように述べています。
イヤイヤ期は発達において通るべき段階なので、個人的には「ない子はいない」と思っています。ただ程度の差はあり、激しく態度で示す子もいれば、「イヤ」と思っていても表に出にくい子もいます。後者の場合、表面化しないために親が気づかなかったという可能性があります。
(引用元:イヤイヤ期に「ママ行っちゃうからね」がダメな理由|日経DUAL)
イヤイヤ期は子供が意志を表現する時期です。大人であっても意志表現の方法が人それぞれ異なるように、子供の意志表現にもさまざまな方法があるのです。
イヤイヤ期の子供は、泣いたり騒いだりすることが多いかもしれません。しかし、すべての子供が同じように騒いで気持ちを表現しているとは限りません。小さな変化であっても、子供は自分なりにイヤイヤを表現している可能性があるでしょう。
(3)自己主張をすることにまだ慣れていない
一口にイヤイヤと言っても、子供にとっては今まで以上に大きく感情を表現する行動です。新しいことをし始めるのですから、最初は上手く「イヤイヤ行動」をとることができないのかもしれません。
また子供の成長には個人差があります。同じくらいの月齢でもまだイヤイヤを表現することに慣れていないという子供もいるでしょう。
我が子にはイヤイヤ期が来ないのかな? と思っているうちに、ふとイヤイヤ行動をし始めるかもしれません。無理に気持ちを聞き出そうとせずに、子供が自然に自己主張をし始めることを待ってあげましょう。