兄弟差別が起こる3つの原因
兄弟差別はどのようにして起こるのでしょうか。今回はその原因を3つご紹介します。
大人が優劣をつけている
1つ目は、大人が兄弟に優劣をつけているということです。子供が関わる大人は親だけではありません。祖父母や親戚、幼稚園・保育園の先生、近所の人など多くの大人と関わりながら成長していきます。
兄弟で同じことをした場合、完全に同じ結果が得られるということは多くないでしょう。たとえ悪気がなくても「お兄ちゃんにはやっぱり勝てないね」などのような言葉をかけられるだけでも、自分が下に見られているように感じてしまう子供がいるかもしれません。
優劣をつけてしまうと、できる方の子供に対してばかり賞賛の声がかかることになります。できなかった子供にとっては、自分も同じことをしているのにどうして自分には同じように接してくれないのか、と悲しい気持ちになってしまうかもしれません。
親が過剰に期待をかけている
2つ目は、親の基準で子供に過剰な期待をかけてしまっていることです。親の中には「こんな子供に育ってほしい」という理想を掲げている人もいるでしょう。しかし、その基準を満たせる子供にばかり気持ちが向いてしまう恐れもあります。
日ごろから親が子供に期待を伝えることで、子供はその期待に応えようとします。しかし、応えられなかった場合、「自分は期待に応えられないから親を悲しませてしまう」と考える子供もいるでしょう。
ほかの兄弟が期待に応えられるようであれば、親のちょっとした態度であっても「期待に応えられないからこんな態度をされているのだ」と考えてしまうかもしれません。
「平等」が子供を苦しめる
親の中には「自分は平等に子供に接している」と考えている人も多いでしょう。しかし、この「平等」という言葉が子供を苦しめてしまうかもしれません。親から見て子供は複数いても、子供にとっての母親や父親は1人だけです。みんなと同様に接されることよりも、ときには親の愛情を1番に受けたいと思うこともあるでしょう。
新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科の碓井真史教授は、平等より1番を求める子供への接し方について以下のように述べています。
二人だけで出かけて、甘えさせ、わがままを許しましょう。「いつもごめんね、ありがとうね、あなたのことが一番好きだよ」と。
(引用元:きょうだいトラブルの心理学:兄弟喧嘩、同胞葛藤、カイン・コンプレックス:兄弟は平等に愛してはいけない|Yahoo!ニュース)
特に第一子の場合、弟や妹ができることで親からの愛を独り占めできなくなります。どうしても幼い子供に手が集中してしまうため、自分への扱いを不満に思ってしまうことがあります。
子供たちには、親が兄弟みんなへ平等に接しようとすることが理解できないかもしれません。ときには1番であることを伝え、愛していることを伝えてあげましょう。