親としてとるべき3つの対処法
それでは仲が悪い兄弟に対して親はどのように接するべきでしょうか。今回は親としてとるべき3つの対処法をご紹介します。
比較しない
比較するということは、差を明らかにすることにもつながります。何か1つの行動を兄弟で比較してしまうと、上の子供はできるけれど下の子供はできないというように、優劣をつけてしまうことにもなります。
「優」であると判断された子供は得意気になるでしょう。しかし、その分「劣」である方を見下すような態度をとってしまうかもしれません。
「劣」であると判断された子供の中には、できるようになろうと努力をする子供もいます。しかし劣等感を持ってしまう子供もおり、比べられる相手がいるから自分の評価が下がってしまっている、と相手に嫌悪感を感じてしまうかもしれません。
それぞれが何かをできるようになったり、良いことをしたりした場合にはしっかりと褒めてあげることも大切でしょう。しかし、どちらか一方ばかりを褒めることは避けるべきでしょう。
「兄弟は仲良し」と決めつけない
兄弟であっても、それぞれが1人の人間です。相手のことをどうしても好きになれなかったり、仲良くすることができないこともあるかもしれません。
それを無理に「仲良くしないといけない」と決めつけてしまっては、子供に与えるストレスをより強くしてしまう恐れがあるでしょう。また、親が見ているところでは仲が良いような装いをし、見ていないところではお互いを傷つけ合ってしまうかもしれません。
仲が良いとまではいかなくとも、お互いのことをそういう人だと認められるような関係づくりを目指すと良いでしょう。相手を認める力を育むことは、家庭外の人と関わる際にも役立つかもしれません。相性の良くない人もいるのだということに早いうちから理解できることが、子供の対人関係を築く力の礎になるでしょう。
「自分は平等に接している」と思い込まない
親にとっては子供たち全員に平等に接していると思っていても、子供はそう捉えていない可能性もあります。例えば、相手に対して劣等感を感じているときに、たまたま親が相手のことを褒めているところを見たとします。子供は「やはり自分は劣っている」と強く思い込むようになってしまうかもしれません。
劣等感を感じた子供は親の気を引いたり兄弟を攻撃するために、騒いだり暴れたりしてしまうかもしれません。親から見ると突然子供が暴れ出したように見え、叱ってしまうこともあるでしょう。子供は自分が不快な気持ちであるということを懸命に表現しています。それを怒られてしまっては、気持ちがますます治りづらくなってしまうかもしれません。
親の態度が子供へどう伝わっているかは、子供にしか分かりません。自分は平等に接していると思い込まずに、子供の様子を注意して見ると良いでしょう。
仲が悪くても我が子は我が子
兄弟同士の仲が悪いとしても同じ我が子であることに変わりはありません。どちらかの肩を持たずに、それぞれの話に耳を傾けてあげる必要があります。たとえどちらかが悪いとしても、子供には言い分があるかもしれません。叱る前に「どうしたの?」と話を聞いてあげましょう。
言い分を聞くことで子供の言い分や感情を知ることができます。もしも親の接し方に原因があり対処できるとしたら、親の関わりによって兄弟の仲を良くすることができるかもしれません。仲が悪いことには理由があります。仲良くしなさいと頭ごなしに注意するのではなく、子供の気持ちを聞いてみることで、兄弟仲を改善することができるかもしれません。
参考
きょうだいに対する劣等感と養育態度の認知との関連|福岡県立大学人間社会学部紀要
兄弟姉妹、不仲になった理由は親の育て方?|mama★sta
兄弟仲は良いのが普通?それとも仲が悪いのが普通?|エキサイトニュース