どうして兄弟の仲が悪いの?
同じ家庭環境で育っているはずなのに、どうして兄弟の仲が悪くなってしまうのでしょうか。仲が悪いということは相手の性格や言動に嫌なところがあり、それを受け入れられないという可能性があります。または過去に相手のせいで不快な気持ちになった経験があり、相手のことを許せないという可能性もあるでしょう。
兄弟不仲の原因は「劣等感」かも
兄弟の不仲の原因の1つとして、相手と自分を比較して劣等感を持っていることが関係している可能性があります。福岡県立大学人間社会学部の紀要「きょうだいに対する劣等感と養育態度の認知との関連」では、以下の内容が公表されています。
きょうだいよりも、親に愛情を注がれなかったと認知している者はきょうだいのほうが優れているからだと感じ、きょうだいに対して劣等感を感じる。
(引用元:きょうだいに対する劣等感と養育態度の認知との関連|福岡県立大学人間社会学部紀要)
劣等感の感じ方は人によってさまざまですが、中には嫌な気持ちになる人もいます。兄弟を「自分のことを嫌な気持ちにさせる相手」だと認識して、攻撃的に接するようになってしまうかもしれません。
親の接し方も原因の1つ
前述の紀要にもあるとおり、子供が劣等感を抱く原因には親の接し方が関わっていることがあります。親にとっては平等に接しているつもりであっても、子供にとってはそう捉えられていない可能性があるでしょう。
例えば、下の子供は上の子供と比べると経験が少なく、できることも多くありません。そのため、1つ1つの行動ができるようになるたびに親が「すごい!」と声をかけることもあるでしょう。
下の子供にとっては親から褒められること、新しいことができるようになったことの2つによる喜びを感じるでしょう。しかし上の子供からすると、「自分も同じことができるのに、どうして弟や妹だけが褒められるの?」と不平等に感じてしまうかもしれません。
反対に下の子供が新しいことをうまくできない場合に、親が「お兄ちゃんは上手にできたのに」のような言葉をかけることもあるでしょう。言われた下の子供は兄に対して劣等感を感じてしまうかもしれません。