寝る子は育つ?子どもが摂るべき睡眠時間はどれくらい? ( 2 )

睡眠はなぜ大切?

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「朝は○時に起きて、夜は○時には寝る」という規則正しい生活を送ることが、健康の第一歩であるはず。質の良い睡眠を確保することによって、疲れた体と脳を休ませて1日の疲労を回復させることができるのです。

また、睡眠には、交感神経と副交感神経のバランスを整えたり、気持ちを落ち着かせたり、体に溜まった老廃物を排出したり、免疫機能を高める効果があります。

これらをサポートするうえで重要な役割を担っているのが、成長ホルモンです。成長ホルモンは、子供の発育に欠かせないホルモンのひとつで、乳児期から思春期にかけて分泌がカ活発になります。

成長ホルモンは、入眠から3時間後の深い睡眠「ノンレム睡眠」の最中にもっとも分泌が高まると言われているのです眠りの深い睡眠をとれているかが、子供の成長を左右する大きなポイントとなります。そのため、大人の生活習慣や睡眠サイクルを見直す必要があるのです。

子供に必要な睡眠時間は?

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東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所が実施した「子供の生活と学びに関する親子調査2016」の調査結果によれば、小学生の睡眠時間は8時間前後。次いで、中学生は7時間、高校生なると6時間という具合に、趣味趣向が外に向くことややりたいことが増えることから、学年が上がると睡眠時間は少なくなっていく傾向にあるのです。

米国の国立睡眠財団(NATIONAL SLEEP FOUNDATION)が提唱している年齢ごとの平均睡眠時間は下記のように示されています。

年齢 必要睡眠時間
新生児(0-3ヶ月) 14〜17時間
乳児(4-11ヶ月) 12〜15時間
幼児(1-2歳) 11〜14時間
幼児(3-5歳) 10〜13時間
小学生(6-13歳) 9-〜1時間
中高生(14-17歳) 8〜10時間
高校、大学生(18-25歳) 7〜9時間
成人(26-64歳) 7〜9時間
老人(65歳以上) 7〜8時間

出典:アメリカ「国立睡眠財団」(National Sleep Foundation)

夜型化に伴う睡眠が子供に与える影響とは?

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集中力の低下

生活が夜型化して体内時計が狂うと集中力散漫になってしまいます。複数の情報が飛び交うざわざわした環境のなかにいるときでも、人は相手の話をきちんと聞くことができるものです。

しかし、選択的集中力が低下すると、溢れている多くの情報に注意を向けることができず、自分の名前を呼ばれても気づかない、先生の話が全然耳に入ってこない、といった状態に陥ってしまうと言われています。これは、カクテルパーティー効果とも呼ばれています。

また、深い眠りに入っているときに分泌が高まる成長ホルモンには、傷ついた細胞を修復するとともに、集中力を高める働きがあります。

これを裏付ける研究「睡眠研究者Cheri Mahの研究」が、スタンフォード大学で行われました。この研究は、バスケットボール選手に1ヶ月半もの間、毎日10時間以上の睡眠を取るように指示し、その前後で数値を比較したもの。

普通の睡眠時は、フリースローが10回中7.9回しか入らなかったのに対し、長時間睡眠をとった場合は8.8回、練習中のやる気は10点満点6.9から8.8へと1.9ポイントもアップしていたのです。

長い時間睡眠をとったときの方が、研ぎ澄まされた「集中力」が求められるフリースローやスリーポイントシュートでは、シュートが決まる成功率が高くなっています。また、練習中のやる気も、7.8から8.8とわずかではあるものの数値がアップしているのです。

学力低下

広島県教育委員会の「平成15年度『基礎・基本』定着状況調査報告書」によって、子供の睡眠と学力を裏付ける興味深い結果が発表されています。

小学5年生のうち、国語、算数ともに5時間、6時間と睡眠時間が長くなるにつれて、子供の成績がアップしているのです。また、睡眠時間以上が7〜10時間未満の小学生5年生の成績は最良との調査結果が発表されています。

山口県でも同様の調査が行われ、夜寝る時間が21時までの子供の学力偏差値と知能指数のどちらも最良で、就寝時間が21時以降になると学力偏差値と知能指数の両方が低下していたのです。

インターネットの普及とともに、現代の子供は1日何時間以上もインターネットやスマホゲームに時間を費やし夜型化が深刻しています。子供の睡眠は、今後の学力に大きな影響を及ぼしているのです。

参考:平成15年度『基礎・基本』定着状況調査報告書