赤ちゃんが小さなモミジのような手を結んで人差し指で物を指す姿はとても愛らしいものです。しかし、この赤ちゃんの「指差し」はかわいい仕草というだけでなく、さまざまなことを伝えるコミュニケーション手段となっています。
パパやママが赤ちゃんの指差しの意味を理解できれば、赤ちゃんとのコミュニケーションがスムーズに行えるだけでなく、効率的に発語への発展もできることでしょう。そこで、赤ちゃんが指差しする理由やなかなか指差ししない原因、指差しを練習する方法などについて解説します。
もくじ
赤ちゃんが指差しする理由とは
一般的には赤ちゃんの指差しは、生後10ヵ月を過ぎたころから始まると言われています。ハイハイからつかまり立ち、早い場合は歩き始める時期でもあり、活動範囲が大きく広がることも影響していると考えられます。
1歳になると指差しもはっきりとでいるようになり、動くものや目の前のものなど興味がある物を指さして、周りの誰かに伝えようという素振りもみられるようになります。赤ちゃんの指差しは言葉の代わりでもあり、さまざまな意味があります。赤ちゃんが指差しする理由について考えてみましょう。
赤ちゃんが行う会話のひとつ
赤ちゃんは視覚や聴覚でとらえたものを中心として脳にインプットする活動を絶えず続けており、言葉となって発することができないだけで、かなりのことを理解しているのではないかと考えられています。言葉を発することなくただ指で指すだけですが、そこには赤ちゃんの声にならない言葉が隠されています。
指差しが始まったら言葉を教え始めるいい時期です。興味関心が高いものを指さすものの、その名前が分からない、言えないという状態で放っておかず、パパやママが「あれは車」「これはお花。きれいだね。」などと言葉かけすることで赤ちゃんの脳はさらに活性化されます。
興味・関心がある意思表示
赤ちゃんは早い子だと生後10ヵ月頃から指差しを始めるようになります。散歩の際に目の前に現れた犬や猫、電車や飛行機など、自分が興味関心があるものを次々と指さすこともあるでしょう。
1歳くらいになると興味や関心を持ったものをただ指さすだけでなく、そのことを周りの誰かに知らせて共感してもらうために指差しをするようになります。そんな時は「車が通ったね」「アンパンマンだね」など、言葉かけをして赤ちゃんの指差しを理解していることを伝えてあげましょう。
取ってほしい、食べたいなどの要求の表示
1歳前後になるとただ何となく興味がある物を指さす行動から発展して「これが欲しい」「あれが食べたい」などの要求を指差しで示すことができるようになります。また、複数の物のなかから自分が欲しい物を選択するために指さすこともできるようになるでしょう。
散歩の途中で気になる物をみつけるとそちらの方向に歩いて欲しいと指さすこともあるでしょう。この指差しに「あっち」「こっち」という短語が出るようになって言葉が発達するようになります。
返事、応答の意味
1歳半頃になると、指差しを使って問いかけに対して返事や応答ができるようになります。家の中で転倒して泣きだしてしまったとき、「どこが痛いの?」と聞くとおでこやひざなど痛い部分を示すことができます。体の部位の名前を言葉で言えないというだけで、きちんと応答しています。
飴玉を片手にギュッと握ってもう一方の手も同じように握り「どっちに飴がある?」と聞いた際に指差しするのも、問いかけに対して指を使って回答しているのです。