子供が成長していく中で、周りの子と比較して「うちの子、少し太り気味かなあ」と気にしている保護者の方もいるのではないでしょうか? しかし、「気になった」程度で無理な食事制限などをして子供のダイエットを始めるのは禁物です。
今回は子供のメタボ診断基準から、ダイエットが本当に必要かどうか判断し、さらに健康的にダイエットをするための食事の摂り方と作り方のコツをご紹介します。
もくじ
子供の肥満とダイエット
日本の子供たちはだんだん体格が良くなっていると言われていますが、ダイエットが必要な「肥満児」はどの程度いるのでしょうか? そもそもダイエットが必要な肥満児の基準はあるのでしょうか? ここでは「うちの子供にダイエットが必要なのか」と悩まれている方に、参考にしていただける判断基準をご紹介します。
子供の肥満は減っている
文部科学省が発表している「平成29年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書)」によると、肥満傾向児の出現率は平成18年度以降で見ると概ね減少しており、平成26年度からは横ばい傾向にあります。5歳から17歳、幼稚園から高校生までを対象としている調査のため、年代によってバラつきはありますが、全体的には肥満度20%以上の「肥満傾向児」は減少していると言えます。
子供の肥満を放置するとどうなる?
全体的には減ってきている肥満傾向児ですが、中には子供なのにメタボリックシンドロームと診断されてしまうケースまであります。メタボリックシンドローム(以下、メタボ)とは、以下のような体の状態を指します。
- 内臓脂肪が多い
- 糖尿病をはじめとした生活習慣病になりやすい
- 心臓病や脳などの血管の病気につながりやすい
(引用元:小・中学生のスポーツ栄養ガイド|女子栄養大学出版部)
子供のメタボを何の対処もせず放置しておくと動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞、2型糖尿病の原因になってしまうのです。また、子供の時に体調に変化が出ずとも加齢していく中でメタボが改善しなければ、これらの疾病のリスクは抱えたままになってしまいます。
ダイエットは必要?子供のメタボ診断基準
実は子供がメタボがどうかを判断する基準が、2007年に厚生労働省から下記のとおり発表されています。学校の健康診断などでこれらの項目を測る機会があれば、チェックしてみてください。
子供のメタボ診断基準
- おへそ回りが80cm以上、または身長×2分の1以上
- 下記1から3の2つ以上が当てはまる場合
- 血清脂質異常
中性脂肪が120mg/dlかつ、または、HLDコレステロール値が40mg/dl未満 - 血圧が高め
最高血圧125mmHg以上かつ、または、最低血圧70mmHg以上 - 血糖値が高め
空腹時血糖値100mg/dl以上
※1 mmHg:血液ガスデータの単位。
※2 mg/dl:血液1dl中に含まれる成分の単位。血糖値100mg/dlは血液1dlに血糖が100mg含まれているという意味。
(引用元:小・中学生のスポーツ栄養ガイド|女子栄養大学出版部)