反抗期の訪れるタイミングには個人差があり、高校生の間が反抗期の期間となる子供も少なくありません。より大人に近づいた高校生の反抗期は、小学生や中学生の反抗期とはまた違った対応が必要な場合があります。この記事では高校生の反抗期と、その対応方法についてご紹介します。
もくじ
高校生の反抗期とは
反抗期の到来時期は人によって異なります。小学生や中学生のうちに反抗期に入る子供もいれば、高校生になってから入る子供、さらに高校を卒業しても反抗的な態度をとり続ける子供など時期・期間はさまざまです。
しかし、高校生の反抗期は小学生や中学生のものとは少し異なる可能性があります。高校によってはアルバイトが許可されており、部活動も必須参加ではない学校も多くあり、子供にとって生活における選択肢の幅が広がるためです。
また、身体的にも変化が起こります。小学生や中学生以上に身体つきは大人へ近づき、高校3年生となれば、大人と大差のない見た目へと成長している子供もいます。身体の成長と同時に筋力も蓄えられ、より力が有り余っている可能性もあります。反抗期の内容として周囲の人々へ手をあげたり、物を投げたりしてしまうことがあるかもしれません。被害を受けないためにも、そして子供を加害者にしないためにも、接し方により気をつける必要があるでしょう。
反抗期が高校生で訪れるのは遅い?
反抗期の到来時期には個人差があります。しかし、平均としてこのくらいの時期にやってくる子供が多い、というデータもあります。
明治安田生活福祉研究所が親世代約9,700名、子供世代約5,800名を対象として、2016年に行った調査「親子の関係についての意識と実態」において、自身の反抗期の到来時期については、親子・性別を問わず「中学生時代」が最も高く、次いで「高校生時代」となっていたようです。特に子世代の回答にフォーカスすると、中学生時代に到来したと回答した人は約38%、高校生時代に到来したと回答した人は約14%という結果でした。確かに高校生時代に反抗期が訪れるケースは少ないかもしれませんが、かといって「子供の反抗期が遅い……」と過剰に心配する必要はないでしょう。
親への見方が変わる時期
小中学生に比べ、高校生はさまざまな経験をしています。受験を乗り越え、人間関係が広がり、今まで以上に広い視野で物事を見ることができるようになっています。そのため、高校生の反抗期は親への見方が変わる時期でもあります。
高校生の年齢は、青年期の時期に含まれているとされています。そのため、青年期の反抗期については発達心理学上でもさまざまな研究が進められています。
たとえば、青年期における親子関係に関する調査では、以下のような論文が発表されています。
とりわけ青年期前期には理想的な親のあり方を求めて現実の親を批判するようになる。欠点は欠点として、人間としての親全体を需要できるようになるまでは時間がかかるが、おおむね青年期後期になると親を人間として見ることができるようになり、欠点を持った親を需要することができ、親子関係は回復するとされている。
(引用元:青年期における親子間葛藤に関する研究の再検討|神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要,8(2):57-66)
反抗期に入りたての頃は、親を1人の人間として見ることがまだできていない可能性があります。しかし反抗期が終わりを迎える頃には、親も人間であり、自分と合わない点があっても当然のことであると捉えることができるようになるようです。