朝食は1日の始まりに欠かせないものです。しかし、最近では「子供が朝食を食べたがらない」「パンやおにぎり1つだけで済ませてしまう」ということが問題になっています。脳や体が著しく成長する時期にしっかりと朝食を取らないことによって、やる気が出ない、フラフラする、イライラする、などの弊害が出ることが指摘されています。
なぜ子供にとって朝食が重要なのか、なぜパンやごはんだけの食事は良くないのか、について解説していきます。また、簡単&スピード朝食レシピもご紹介します。
もくじ
「パンだけ」「ごはんだけ」の朝食が良くない理由
朝食をまったく食べない子供に比べれば、パンやごはんだけの朝食はまだましな気がします。しかし、パンとごはんは炭水化物(糖質)であり、栄養のバランスを考えると偏っていることが分かるでしょう。
炭水化物(糖質)は脳を活性化するのに有効だと昔からいわれていますが、実はそれだけでは学習意欲や学力は上がらないのです。なぜ「パンだけ」「ごはんだけ」の朝食は良くないのでしょうか。
栄養が偏ってしまう
パンやごはんは主食です。しかし、主食だけの食事は人間にとって大切な6大栄養素のうち、ほぼ炭水化物(糖質)だけの摂取になってしまいます。栄養のバランスを取るにはほかの栄養素も必要で、特に成長期の子供には、良質なたんぱく質や脂肪などが必要となります。
パンやごはんだけでは栄養が極端に偏ってしまうだけでなく、血糖値が急上昇するため、子供でも糖尿病のリスクが高まります。特に精製された小麦粉で作られたパンは、ほとんどの栄養が除去されたものになっているため、脳や体に悪い影響を与えることも考えられます。
脳の働きがスムーズに行われない
栄養素のなかでも主にエネルギー源とされる炭水化物は、いわば脳や体のスタートダッシュには欠かすことのできない栄養素です。しかし脳に蓄えることはできないので、朝食をしっかり食べる必要があります。最近では子供の朝食について、食べるか、食べないかではなく、朝食の質について議論されることが多くなっています。
大切なのは主食だけでなく、おかずから摂取するバランスの良い栄養素なのです。朝、パンやおにぎり1つだけ食べれば大丈夫と考えている方は、食事のバランス改善を図ることが必要です。
食事の量や回数を増やす
食事は栄養のバランスに偏りがないようにすることも重要ですが、その量や回数も大切です。理想的な食事は、朝昼夜の3回に分けてバランスよく食べることです。朝は1日の活動に備えて最もしっかり食べることが必要です。
朝食は少し食べ過ぎても脳や体を使うことによって消費されやすいので問題ありません。ただし夕食はその後、就寝するだけなので量が多いと胃腸に負担が掛かるだけでなく、エネルギーが消費されないため肥満の原因になることがあります。1回の食事の量が少ないという子供は回数を多くしてこまめに栄養分を摂取させるようにしましょう。
学習意欲が低くなる
炭水化物のみの朝食では、一時的に血糖値が上昇して脳や体の働きが活性化されるものの持続する力に欠けるため、時間とともにやる気がそがれ学習意欲が低くなるといわれています。
朝食をはじめとして食事では主食よりもおかずが重要で、おかずの品目が多いほど子供の脳は活性化され、体もよく成長するといわれています。ある調査では「パンだけ」「ごはんだけ」の炭水化物のみの朝食と、バランスよい朝食を食べた子供を比較したところ、同1人物でも炭水化物のみの朝食を取ったときの方が成績が悪くなったという結果があります。