子供に音楽を聴かせると、さまざまなメリットがあると言われています。その1つが記憶力の向上です。幼児期はいろんなことを吸収しやすい時期ということもあり、音楽を聴かせることによるメリットを実感しやすい傾向があります。「子供のために何か良いことをしてあげたい」という方に向けて音楽を聴くメリットやおすすめの音楽を紹介します。
もくじ
脳が記憶を行うしくみ
人が持つ記憶というのは、脳の神経細胞が鍵を握っています。脳は大脳と小脳以外にも、体の各機関に指令を送る役目を担っています。指令はすべて電気信号で送られていて、記憶を司る部分が覚えるべき引き出しを作り、そこに記憶として記録されます。
目や耳から脳へ情報が入る
記憶するには情報が必要です。情報となるのは目で見たり耳で聞いたりした情報で、それを脳の神経細胞ネットワークを通して、記憶として記録されます。子供は成長する過程でいろんなことを吸収します。初めて見るもの、初めて聴くものは印象に強く残るので記憶に残りやすいのです。
短期記憶として海馬に送られる
初めて見るものや聴くものは短期記憶として一旦、脳の海馬という部分に送られます。海馬はタツノオトシゴのような形に見えることから名付けられました。目や耳から入った新しい情報は、海馬に送られ、新しい引き出しを作りそこに記録されます。ただし海馬では短期間しか記憶していられません。
大脳皮質に送られたデータが長期記憶として記録される
海馬で一旦引き出しに記録された記憶は、記録できる期間が限られます。長期記憶として記録するには、大脳皮質に記録する必要があります。大脳皮質では記憶を長期間記録しておくことができるので、音楽のように子供に取って役立つ記憶は大脳皮質に送られます。
長期記憶から情報を検索して呼び出す
大脳皮質に送られ記録されると、長期間記録しておくことができます。大脳皮質では数え切れないくらい多くのことを記録しますが、一度記録されればそう簡単には消えません。子供は日々たくさんのことを記憶していくので、時々前に記憶したことを忘れることがあります。しかし大脳皮質に記憶されたことは、情報を検索すれば呼び出すことができます。