ビタミンは、体の健康には欠かせないものです。サプリメントで必要量を簡単に摂取することもできますが、食事でバランス良く摂ることができれば理想的です。
今回は、ビタミンのうち、パントテン酸が多く含まれる食品についてご紹介します。比較的摂取しやすい栄養素で、普段口にしているものにも含まれていますが、特に含有量が多い食品はどのようなものなのか見ていきましょう。
もくじ
パントテン酸が多く含まれる食品
パントテン酸という名前は「いたる所に存在する酸」という意味です。その名のとおり、普段口にする食品の多くに含有されているビタミンです。ここでは、その中でも特に含有量が多い食品をご紹介します。
肉類
食品名 | 成分量100gあたり㎎ |
ニワトリのレバー(生) | 10.1 |
ブタのスモークレバー | 7.28 |
ブタのレバー(生) | 7.19 |
牛のレバー(生) | 6.40 |
骨・皮つきのすずめ肉(生) | 4.56 |
皮なしのはと肉(生) | 4.48 |
ニワトリの心臓(ハツ)(生) | 4.41 |
ゆでたフォアグラ(ガチョウの肝臓) | 4.38 |
ブタの腎臓(マメ)(生) | 4.36 |
牛の腎臓(マメ)(生) | 4.08 |
(引用元:パントテン酸の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネットより筆者作成 )
まずは、肉類です。パントテン酸は水溶性で熱に弱いため、生の状態の食品により豊富に含まれています。しかし、各種レバーなど生の状態で摂取すると危険な食品もありますので、きちんと加熱して食べるようにしましょう。
食品名 | 成分量100gあたり㎎ |
チーズホエーパウダー | 5.95 |
脱脂粉乳 | 4.17 |
鶏卵の卵黄(生) | 4.33 |
鶏卵の卵黄(ゆで) | 4.08 |
(引用元:パントテン酸の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネットより筆者作成 )
肉類ではありませんが、畜産物では鶏卵や牛乳にも豊富に含まれています。中でも卵黄は、生食しやすい食品です。摂取量を増やしたい人は、卵かけご飯などにして食べると良いでしょう。
魚介類
食品名 | 成分量100gあたり㎎ |
干しヤツメウナギ | 5.76 |
カラスミ(ボラの卵) | 5.17 |
タラコ(生) | 3.68 |
ウナギ(養殖)(生) | 2.17 |
シシャモ(生) | 1.95 |
ウルメイワシ(生) | 1.25 |
ベニザケ(生) | 1.23 |
マイワシ(生) | 1.14 |
(パントテン酸の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット、パントテン酸解説 | 「健康食品」の安全性・有効性情報 国立健康・栄養研究所より筆者作成)
パントテン酸は、魚介類にも豊富に含まれています。カラスミやタラコには特に多いことが分かりますが、これらは塩分の強い食品です。塩分過多にならないよう、気をつけて摂取してください。
穀類・豆類・野菜など
食品名 | 成分量100gあたり㎎ |
干し椎茸 | 7.93 |
挽きわり納豆 | 4.28 |
米ぬか | 4.43 |
緑茶(玉露) | 4.10 |
モロヘイヤ(生) | 1.83 |
アボカド(生) | 1.65 |
ブロッコリー(生) | 1.12 |
(パントテン酸の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット、パントテン酸解説 | 「健康食品」の安全性・有効性情報 国立健康・栄養研究所より筆者作成)
肉や魚介類だけでなく、野菜からもパントテン酸が摂取できます。表にある干し椎茸以外のキノコ類にも多く含まれています。
子供が必要とするパントテン酸はどのくらい?
親として気になるのは、子供の摂取量ではないでしょうか。特に偏食がちなお子さんだと、心配になるでしょう。ここでは、年齢別の摂取目安量をご紹介します。
年齢別の目安量
目安量(㎎/日) | ||
年齢 | 男性 | 女性 |
0~5(月) | 4 | 4 |
6~11(月) | 3 | 3 |
1~2(歳) | 3 | 3 |
3~5(歳) | 4 | 4 |
6~7(歳) | 5 | 5 |
8~9(歳) | 5 | 5 |
10~11(歳) | 6 | 6 |
12~14(歳) | 7 | 6 |
15~17(歳) | 7 | 5 |
(引用元:パントテン酸の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネットより筆者作成 )
目安量とは、「この量を摂取していれば、日常生活で欠乏状態に陥る心配がほとんどない」という十分量のことを指します。18歳以上は、おおよそ1日に5mgを目安に摂取していれば問題ないようです。
妊娠・授乳中の女性は同年齢の女性よりも多く摂取することを心がけたほうが良いそうですが、この場合も1日に5mgが目安となります。通常の食生活で十分に摂取できるので安心してください。
ちなみに、平成27年に行われた「国民健康・栄養調査」でのパントテン酸摂取量は、国民平均で5.50mgでした。平均的な食生活では、肉類・魚介類をはじめ野菜などからも広く摂取できているようです。
参考
通常の食生活で不足することはない
以上のような理由から、日本国内の一般的な食生活でパントテン酸が不足することはほとんどないと考えられています。以下は、推奨量を1つの食品で摂取する場合の目安です。規則正しい食生活であれば、簡単にとれる量だと言えそうです。
- 納豆3パック
- 豚レバー70g
また、食事から多く摂取しすぎたときの有害な影響も、今のところ報告されていません。ただし、サプリメントからパントテン酸をとる場合のみ、たくさん摂取すると吐き気や食欲不振が起こる可能性があると報告されています。サプリメントを飲む場合は、成分が重複したりしないよう、気をつけて選んでください。
参考
パントテン酸の含まれる食べ物は? ビタミン・ミネラル事典 | タケダ健康サイト