ビタミンA、ビタミンBなど、名前をよく耳にする数々の栄養素。それぞれの栄養素がいったいどのような効果を持っているのか、ご存じでしょうか? 特に育ち盛りの子供にとって、栄養素は健やかな体づくりに欠かせないものです。今回はその中でも「ビタミンB1」の効果や働き、そしておすすめの摂取方法などについてご紹介していきます。
もくじ
ビタミンB1とは?
ビタミンは全部で13種類ありますが、実は最初に発見されたビタミンこそビタミンB1であるということをご存じでしょうか?
2016年12月8日に発刊された日本経済新聞の夕刊には、ビタミンの仕組みについての記事が取り上げられています。記事の中ではビタミンB1の歴史について、以下のように説明されています。
東京大学の鈴木梅太郎教授が1910年に米ぬかに含まれる未知の栄養素「オリザニン」を発見したのが最初のビタミン(B1)といわれる。国内での発表だったため海外では知られなかった。ほぼ同時期に研究していた英国とオランダの研究者が、ビタミンの発見で1929年のノーベル賞を受賞した。
(引用元:免疫高めるビタミン B1などの関わり、仕組み判明|NIKKEI STYLE)
ビタミンB1を最初に発見したのは日本人であり、かつ歴史ある栄養素である、ということが分かります。
また公益財団法人長寿科学振興財団が運営する「健康長寿ネット」では、ビタミンB1について以下のように説明されています。
水溶性ビタミンの仲間であるビタミンB1はビタミンの中で最初に発見されたものです。科学的にはチアミンという名称の化合物で、ブドウ糖をエネルギーに変換する際に必要な栄養素です。
(引用元:ビタミンB1の働きと1日の摂取量|健康長寿ネット)
人間の活動には、エネルギーが欠かせません。ビタミンB1は糖をエネルギーに変換する役割を持っているため、人間の活動を助ける大切な栄養素と言えるでしょう。
ビタミンB1の効果は?
ビタミンB1の効果について、さらに具体的に見ていきましょう。今回は特に大切なビタミンB1の効果を3つご紹介します。
(1)糖からエネルギーを作る
ご紹介したように、ビタミンB1は糖をエネルギーに変換する働きを持っています。ビタミンB1が不足してしまうと、活動源であるエネルギーが不足してしまうことになるのです。そのためエネルギーを生み出すには、糖分と一緒にビタミンB1を摂取することが望ましいでしょう。
ただし、甘いお菓子が大好き! という子供は要注意です。甘いお菓子を食べすぎてしまうと糖分を摂りすぎた状態に陥ってしまう可能性があります。その結果、ビタミンB1が糖分をエネルギーに変換することに使われすぎてしまうおそれがあるのです。すると、ほかの働きに必要なビタミンB1が少なくなってしまうかもしれません。
(2)皮膚や粘膜の健康を維持する
ビタミンB1の働きは、エネルギーを作ることだけではありません。皮膚や粘膜を健康な状態に維持することにも一役買っているのです。
皮膚の健康に関わるため、ビタミンB1は肌荒れが気になる大人にも症状改善の効果が期待できるとされています。親子で健やかな体を作るためにも、ビタミンB1は大切な栄養素と言えるでしょう。
(3)疲労を回復する
ビタミンB1は筋肉や神経など、体に生じる疲れを和らげる効果を持っています。そのため、疲労の回復に効果があるとされているのです。
また前述のようにエネルギーを産生することで、活力を生み出してくれます。ビタミンB1が不足してしまうと疲れが取れず、活力も低下したままになってしまう可能性があるでしょう。