ニキーチン教育といえば、積み木教育というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
積み木教育のことも含め、ユニークな魅力あふれるニキーチン教育についてまとめてみました。
もくじ
ニキーチン教育とは
ニキーチン教育の提唱者は、ペレストロイカ以前のソ連時代、モスクワの校外に暮らしたニキーチン夫妻です。
「子供達はわたしたち大人が考える以上にさまざまな力を持っている」という考えのもと、実際の自分達の子育てを通じ知育遊びや身体鍛錬に特徴のある独自の教育方法を開発しました。
なかでも「創造力」(=自分で考え、問題を解決する能力)を重視し、創造力を育むための知的能力を幼少時に発達させることを実践してきました。
ニキーチン夫妻のユニークな子育て方法
ニキーチン夫妻は、時には周囲の批判にさらされることもあるようなユニークな子育てを実践し、
自分達の7人の子供達を学業面でも運動面でも優秀な人材に育て上げました。
その方法を具体的にご紹介します。
幼稚園に通わせない
ニキーチン家には、7人の子供達がいましたが、全員が保育園や幼稚園に通っていません。
夫妻は自分達の教育理念のもと、7人の子供達を家庭内教育のみで育て上げたのです。
ニキーチン夫妻は、「強制は創造を妨げる」という考えのもと、家庭内に子供の発達を促すようなしかけをたくさん仕込んでいたのです。
こうした家庭内教育の結果、どの子も何年も飛び級して優秀な成績をおさめ、運動面でもすばらしい才能を発揮したのです。
危険を体験させる
子供たちの周囲には、「火」「はさみ」など、興味深くて危険なものがいっぱいです。
しかし、いつも大人が目を光らせて危険な目に遭わないようにコントロールすることは不可能に近いでしょう。
そこで、ニキーチン夫妻は「いかに危険から自分たちの身を守るか」ということを体験を通して、子供達自身に学ばせました。
マッチやはさみ、ピンなども子供の手に届かないところに置いて隠すなどせずに、身近に置くことでどのように使ったら、どれくらい痛い目に遭うのかを体験させました。
「痛みを感じる程度に、でも危険のないように」目配りしながら危険な物と実際に向き合う体験を通じ、子供達自身に「どこまでなら大丈夫」なのかを体得させたのです。
信じる力を養う
前述のような、社会通念とはかけ離れていたり、危険を厭わなかったりする独自の教育法を実践した
ニキーチン夫妻は、世間の人々から強い非難を浴びました。
そのようなとき、夫妻は「おのが道を行け。人々をして言うに任せよ」という言葉を励みにしていたといいます。
子供達は生まれたたときから自立へと向かっていると信じ、成長を妨げるような過保護に世話を焼くのでなく、子供自身の成長力を見守って手助けする教育方針は、親の信じる力だけでなく、子供自身の自分を信じる力を養うものなのです。
難しいことをさせる
ニキーチンは、子供のさまざまな能力を高めるために、子供の活動意欲を刺激するような、そして、
それぞれの時点でその才能を十分に発達させるような環境を整えることに注力しました。
ニキーチン家には工作室があり、有名な積み木の他にも、木の切れ端や針金、レンガやさまざまな道具を備えてありました。チャレンジする環境が整えられているので、子供達はどんどん自発的に難しい問題をクリアしていくことを覚えました。
その他、例えばハイキングなどの自分で多くのことをやらねばならない環境に子供達をたびたび置き、さまざまな活動の中で自分をためしていく力を養いました。